名刀に挑む 日本刀を知れば日本の美がわかる
誰もできなかった鎌倉時代の名刀再現に成功した刀匠が語る日本の凄さ――。至高の美、強さ、精神性。日本刀の世界では、鎌倉期の刀が最高のものとされてきたが、製法が失われ、再現が不可能となっていた。特に江戸期以降、無数の刀鍛冶が再現に挑むも、叶わなかったのである。しかし著者は、遂にその再現に成功した。「名刀」の域に達するのは、並大抵のことではない。名刀であるためには、「品格」が求められる。刀の原料となる和鉄の性質にも通じなくてはならないし、刀の歴史や文化の深い部分も知らなくてはならない。しかし、それがわかったとき、日本文化の美、強さ、精神性の凄さが見えてくる。そもそも、日本の国宝の中でも日本刀は数からして別格であり、平成29年現在、国宝1100点のうち日本刀は110本もある。これほど国宝に指定されているのは、日本刀がたんなる「武器」ではなく、「美術品」であり「高い精神性」を帯びたものだったからだ。ここに、日本文化の秘密の一端がある――。希代の実力派刀匠が語る日本刀の真実と、日本文化の真髄。
【目次より】
●第1章:日本文化と日本刀――刀は「生きる力」をもらうもの
●第2章:鎌倉時代の古刀を再現する――私の刀工修行
●第3章:日本刀の歴史とつくり方――珠玉の刀の秘密に迫る
●第4章:「至高の美」と「強さ」をいかにつくりだすか
●第5章:精神性――神道と産霊(むすび)
●附章:日本刀の見方、愉しみ方
(※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています)
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