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著書や関連図書も多く、国民的な人気を持ち続ける本田宗一郎。しかし、その「天才」の核心はどこにあるのか。知識創造理論の世界的権威である著者は、そのキーワードを「身体の人」と読み解く。尋常高等小学校を卒業後、自動車修理工場で丁稚奉公。1948年、本田技研工業株式会社を設立し、「ドリーム号」「スーパーカブ」などを開発、英国マン島T・Tレースで輝かしい戦績を残すなど、世界一の二輪車メーカーに育て上げた。その後、四輪車に進出。「シビック」などの個性的なヒット商品や低公害のCVCCエンジン開発に成功、F1での初優勝を果たすなど、独創的な社風で知られる世界的企業を築き上げた。盟友、藤澤武夫とのコンビネーションもきわめて重要な意味を持っていた。「暗黙知の本田宗一郎、形式知の藤澤武夫」、その役割分担は、今日こそ多くのビジネスマンに具体的なヒントを与えるだろう。PHP研究所創設70周年記念出版シリーズ「日本の企業家」第7巻。
「世界のホンダ」の創業者でありながら、気取らない人柄と人一倍の挑戦心でカリスマ的な人気を誇る本田宗一郎。三日三晩、寝食も忘れて研究開発。経営危機の中で世界最高峰のレースに挑戦。社員から「オヤジ」と呼ばれる。言葉が通じないのに外国人とすぐに打ち解ける。引退を進言した役員に「よく言ってくれた」。……など、その魅力を伝えるエピソードは数多い。本書は、そういったエピソードを織り交ぜながら、本田宗一郎の生涯と仕事術をコンパクトかつわかりやすく紹介するもの。
「スーパーカブ発売」「マン島TTレース出場」「四輪車参入」「F1挑戦」などの大プロジェクト達成の秘話から、盟友藤澤武夫との深い信頼関係、人間味溢れる数々の逸話まで、その魅力とすごさを余すところなく伝える。
「スーパーカブ発売」「マン島TTレース出場」「四輪車参入」「F1挑戦」などの大プロジェクト達成の秘話から、盟友藤澤武夫との深い信頼関係、人間味溢れる数々の逸話まで、その魅力とすごさを余すところなく伝える。
明かされた真実を頭では理解できても、心で受け止めるのは難しかった。■今後の仕事のやり方について考えるため、生まれ故郷のマン島に戻っていた人気歌手のトーリーは、友人のマディソンに頼まれて、彼女の兄を空港まで迎えに行った。到着ロビーで名前を書いたボードを掲げて立っていると、百八十センチはかるく超える男性が目の前に現れた。「ジョナサン・マクガイアーだが」日に焼けた男らしい顔立ち。広い肩に引き締まった体。はっとするほど魅力的なのに、ひどく無愛想でそっけない。家まで送ったものの、トーリーは彼の態度にだんだん腹が立ってきた。なんて尊大で失礼な人なの! だがそういった振る舞いは彼がかかえている悩みのせいだった。トーリーはなんとか力になろうとするが、彼の心の壁は厚く……。