オーディオブック 文福茶がま
貧しい男が罠にかかったタヌキを見つけるが、不憫に想い開放してやる。その夜タヌキは男の家に現れると、助けてもらったお礼として、茶釜に化けて自身を売ってお金に換えるように申し出る。次の日、男は坊主に茶釜を売った。坊主は家に持ち帰って茶釜を水で満たし火に懸けたところ、タヌキは熱さに耐え切れずに半分元の姿に戻ってしまった。タヌキはそのままの姿で元の男の家に逃げ帰った。次にタヌキは、綱渡りをする茶釜で見世物小屋を開くことを提案する。この考えは成功して、男は豊かになり、タヌキも寂しい思いをしなくて済むようになった。という、恩返しの話である。また、一説にはタヌキが守鶴という僧に化けて寺を守り、汲んでも尽きない茶を沸かしたとされている。普通、物怪(もののけ)は鉄を嫌うが、このタヌキはその鉄の茶釜に化けており、金の精霊たる所以を表している。(C)青空文庫
■著者プロフィール
楠山 正雄(くすやま まさお)
1884〜1950
東京銀座生まれ。早稲田大学時代に坪内逍遙や島村抱月に師事。大学卒業後の1907(明治40)年、早稲田文学社に入り、編集者としてのキャリアを始める。そして読売新聞社を経て、1910(明治43)年、冨山房に入社。そこで「新日本」の編集主任として励むかたわら、一方で逍遙の「文芸協会」に参加し、評論あるいは翻訳劇脚本家として活躍する。文芸協会解散後も抱月の芸術座に続いて参加し、しばらく編集者と演劇人の二足のわらじを履いていたが、1915(大正4)年、冨山房社長の命を受け、「模範家庭文庫」の担当となる。親交のあった岡本帰一にヴィジュアル面を託し、他人の原稿を編集するうち、児童文芸への意識が高まっていく。やがて自らも文庫の執筆に手を出し、また児童向けの創作や翻訳も意欲的に行う。1945(昭和20)年の終戦後は、様々な文化が復興の力に湧き、正雄も演劇界・児童文芸界双方に尽力する。
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