永遠の0
「生きて妻のもとに帰る」
日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた……。
人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。
祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。
元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。
凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り── それが祖父だった。
「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻を志願したのか?
はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語。
(※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています)
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映画も上映中(2014年1月現在)の、今話題の一冊『永遠の0』。主人公の宮部久蔵はなぜ"永遠の0"を夢見たのか。零戦とともに去り、再び亡霊となって現れた宮部が語りかけてくれます。宮部の生への執着は「生きて妻のもとに帰る」ことへと帰着します。家族との団らんや好きなことを見つけて勉学に励んだり、友人や彼氏彼女と戯れたり、フツーの生活を送りたいと願い叶わなかった当時の人々の想い。この戦争に対しての怒りは一体誰に向けたら良いのか。それすらも分からずにこの世から去っていった無念さを感じられずにはいられません。
"遺稿集『きけ わだつみのこえ』には「いとけなき昔の夢よ青葉かげ微笑み思う戯れしひと」と、人間魚雷となって死んでいった学徒兵が今はただあなたとの昔のあの楽しかった一瞬だけを考えていたいと、飛び立つ前に一文を残しています。この遺稿集の率直な想いは宮部がよく口にした「私は死にたくありません」に通じる、ごく自然な発露として心の奥底に突き刺さります。
あれ、なんだか辛気くさいな。これ涙かな、涙かも。…戦争経験を『永遠の0』を通じて疑似的にでも考えることができる、オススメの一冊です。
(編集:汐田|作成日:2014/1/7 )