ロンドンのソーントン街。ガス燈がともる頃、幼少時代のポーラはイタリアに留学しようとしていたが、同居していたオペラ歌手であった叔母が何者かに殺害された。事件は未解決のまま、ポーラはイタリアへと旅だった。そして10年の時が過ぎ、ポーラは作曲家のグレゴリーと結婚した。グレゴリーの希望に沿ってロンドンへと帰ってくるが、次々とポーラの身の回りに不可解なことが起き始め、ポーラは次第に自分の精神状態に自信が持てなくなり、部屋のガス燈もチラついて見えてくるようになってくる。夫のグレゴリーは、病状が悪化してきたポーラに対し、精神病院に入院するように勧める。一方、刑事のブライアンは執拗に10年前の事件を追いかけていた。捜査を進めるうちに、とんでもない事実が明らかに……。

椿の花を愛することから「椿姫」と呼ばれるパリ社交界の花形マルグリット・ゴーチェは、病弱な体であったが豪奢な生活を続けていたために健康はますます衰えていた。彼女と最も親密な世話役のブリュダンス夫人の勧めもあり、不健康な生活から離れるためにロシアの富豪ヴァルヴィル男爵をパトロンに持つことになったが、ふとした間違いから若い美青年アルマン・デュヴァルを男爵と間違えてしまう。二年前から人知れず彼女を慕っていたアルマンは、彼女の優しい態度に大変喜んだ。しかし、それは自分を男爵と間違えたためと知り、彼の心は痛手を受けた。男爵は彼女を熱愛し一緒にロシア行きを勧めたが、健康を理由に断られてしまい、一人でロシアへと旅立った。その夜、彼女の誕生を祝うパーティが催され、アルマンも招かれて出席したが……。