レビュー一覧

潔癖症の人が、特殊清掃の人とカップルになるのは、最初無理かなぁと思ったけど、好きになったら大丈夫なんですね。におい感じなくなってたのが、治って良かった。いろいろ優しい人がいて、ホッとしました。

潔癖症と特殊清掃を仕事にしている二人の話。二人の会話のテンポが楽しい。言葉の選択がいいなあと感じる場面がいくつかあって、やわらかさをかんじる。

受けさんの潔癖具合がブレない、独立独歩なところがツボでした。懐深そうな攻めさんが意外と繊細だったのもヨカッタ。ただノンケ×ノンケという設定が個人的に好みではなく、元カノだの元婚約者の話が出るたびに違和感がありました。

先生のお話にしては読み込むまでに少し時間がかかりましたが、入り始めるととても面白かったです。攻めや受けに彼女などがいたりする話は、主人公に入れ込んで読むので少し胸が痛くなりますが、それよりもこの人が愛しい！となるお話が好きです。今回は婚約者までいた、いや別れてましたが、そんな攻めが受けに惚れ込むのは読んでいて気持ち良かったです。

はああ、やっぱりこの作者様大好き！星4.5。主人公二人の職業はあまり馴染みのないものですが、ストーリー自体は至って普通。特にすごい展開があるわけでもなく、すごいロマンチックなわけでもなく。それなのに、読者を惹き付けて離さず、ぐいぐいと読ませてしまうのは、やはりいつもながらの作者様の筆力のなせる業。ほんとに、どうしてこんなにも人の気持ちを正確にきちんと文字で書き表すことができるんだろう。その才能が羨ましい。完敗です。

作者買いですが期待を裏切らない作品でした。潔癖症と特殊清掃員なんて真反対のスタンスなのに話がうまいです。特殊清掃員のことはべつの小説で脇役で出てきて知ってましたが、そちらでは軽く書かれてたのでこんな風に弊害があるんだなあと感心しながら読みました。ただ受けにはそのうち爺様に反抗して欲しいかなと思います笑

一穂ミチさんの作品はどれも好きです。今回心象に残ったのは、この話の中で舞台となった場所、手入れされて清潔でやや古めかしい作りの家でした。それは、私の好きな有名小説家三○しお○のBL作品で、小説に出てくる主人公のひとりが住む家を時々重ね合わせました。本作も、景色を思い浮かべることができる作品ってことですね。

やっぱり一穂先生の作品が大好きです。最後しかＨがないのは、他の作家さんなら物足りなさを感じます。でも一穂先生の作品ではテンポの良い展開に内容に大満足で、例え最後までＨが無くても平気です。お好きな方はとことん好きで、苦手な方は厳しいのかなと思います。

作家さん買いです。安定したストーリー展開で読みやすかったです。超潔癖症キャラがちょっとウザい時がありますが、基本的に不器用なノンケ二人の恋愛にキュンキュンしました。ラブラブあままではなくこの作家さんらしく物語重視の作品です。個人的にはもっとあまあまな二人が読みたかったなぁ。