刺青強奪人 下
すべては順調だった。わたしは<コレクター>の期待に応え、望まれた通りにコレクションを集めた。そう、すべては順調だった。あの日がくるまでは……名匠の手がけたタトゥーを狙う<コレクター>とは何者か?刺青偏愛のサイコパスの狂気を暴け!【全189ページ】
この作品の他の巻
現在2巻
刺青強奪人
インクの混じった肉の味は格別だ――
意識のない男のTシャツを引き剥がすと、みごとなタトゥーが現れた。
体がまだ温かいうちにすませるのが肝心だ。
冷えきると皮膚がこわばり、肉も固くなる。
そうなると作業はむずかしくなる。
ついにこの瞬間が到来した。
肩から肩甲骨のとがった先に向け、タトゥーの輪郭に沿ってすばやく刃を引く。
刃先が道を切り開きながら進み、その軌跡に赤いリボンが浮かび上がる。
指にからみつくそれは、温かい。
背筋がぞくりと震え、血液が下半身に押し寄せて沸き立った。
この作業が終わるまでに、男は息絶えるだろう。
こいつは最初の一人ではない。
最後でもない――。
物証なし、目撃者なし、被疑者なし。
生きながら皮を剥がれた被害者の遺体を手掛かりに、刺青偏執のシリアルキラーを追え!
国際犯罪小説祭「ブラッディ・スコットランド」の勝者が贈るサイコスリラー、日本上陸!
(※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています)
みんなの感想
本編が同じ内容の作品があります
まとめてカート
購入版をまとめてカートに
追加しますか?
本編が同じ内容の作品があります。
カート内をご確認ください。
・カートに追加できるのは最大100点です。
・レンタル中/購入済みの作品は追加されません。
・まとめてカートは購入版限定の機能です。