年下の彼【イラスト入り】

母の愛を求めるように直己は由貴也の愛を求める。でもそれはいつしか二人の間に距離感を生んでいく――。
自分なんかのどこがいいのかわからない。しかもさらに理解しがたいことに、直己は同性である自分に……欲望すら感じてくれるのだ。
これが愛なのか恋なのか、由貴也にはまだわからない。数学のようにすっきりと答えがだせないし、国語のように前後の状況から判断もできない。文章の要約も論点を書き出すことも得意な筈なのに、直己に関しては自分の気持ちがさっぱりわからないのだ。直己のことは好きだと思う。でも、彼が自分に向ける情熱のように好きなのか……わからないまま何度もキスを受け、抱きしめられ、体を重ね……快感だけを覚えていった。直己は自分たちが恋人同士だと言う。告白してそれを受け入れたから――。

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
　尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

（※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています）