惑星9の休日
町田洋による、全編描きおろし話題のデビュー作! 辺境の小さな星、惑星9(ナイン)に暮らす人々のささやかな日常と、少しのドラマ。――凍り付いた美少女に思いを馳せる男。幻の映画フィルムにまつわる小さな事件。月が惑星9を離れる日。愚直な天才科学者の恋……。風にのって遠くからやってきた、涼しげな8つの物語。
(※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています)
レビューPICK UP
みんなの感想
本編が同じ内容の作品があります
まとめてカート
購入版をまとめてカートに
追加しますか?
本編が同じ内容の作品があります。
カート内でご確認ください。
・カートに追加できるのは最大100点です。
・レンタル中/購入済みの作品は追加されません。
・まとめてカートは購入版限定の機能です。
エディターのおすすめ
惑星9という辺境の星を舞台にしたオムニバス形式の作品です。
惑星、隕石、宇宙船などSF的な要素が多く登場しますが、星をまたいだ大冒険!などではなく、描かれているのは人々のささやかな日常。
どことなく星新一さんのショートショートに近いような雰囲気があります。
特筆すべきは絵の表現力。
セリフのない静かなシーンほど、登場人物たちの様々な感情が伝わってきて引き込まれます。
特に「それはどこかへ行った」の見開きページ!この美しさとインパクトは言葉には表せません。
白と黒の二色でここまで煌びやかな世界を描けるものかと感動しました。
そしてこの作家さん、言葉選びのセンスも秀逸です。
思わず笑ってしまうような日常のやりとりから、ハッとする・考えさせるようなものまで、たくさんの心に残る一文が散りばめられています。
登場人物たちもすごく真っ直ぐでひたむきで、だからこそ素直にそのセリフが沁みるのかもしれません。
ストーリーも、特に何か大きな出来事が起こるわけではありませんが、じんわり沁みこんでくるような良さがあります。
読後感も爽やかなので、これからの季節にぜひおすすめです!
そして個人的に、作中に登場するおじさんたちが可愛くて仕方ありません。笑
特に「午後二時、横断歩道の上で」のドアに挟まっている社長はなんだか切なくなるほどキュートです。必見。
(編集:村田|作成日:2015/6/2 )