あかく咲く声
同学年の「無口な少年」・辛島に想いをよせる国府佐和は、彼の誕生日に告白を決意。
プレゼントを買って帰る途中、偶然にも人気のないビルに忍び込む辛島を目撃!
少しでも彼に近づきたい佐和は後を追うが、そこには信じられない光景が……!?
(※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています)
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エディターのおすすめ
漫画を読んで、画や文字の配置の美しさというものを意識したのは『あかく咲く声』が初めてでした。十数年たった今でも、好きなシーンをふと思い出してはうっとりしてしまいます。
あらすじは「同学年の少年・辛島に想いをよせる少女・国府佐和は、ある日、人気のないビルに忍び込む辛島を目撃し、その後を追う。そこには信じられない光景が…!」というもので、事件モノがお好きな方もぜひ。いくつかの事件を経て、だんだんふたりの距離が近づいていきます。
この『あかく咲く声』、漫画としての演出が格別なのです。どうしたらこんな流れるような、こちらの読む速度まで操ってしまうようなコマ割りを思いつけるのでしょう。
そしてモノローグ! 吹き出しの外の、心の声をあらわす文章です。主人公の国府が、きれいな言葉で、辛島くんへの思いをあふれさせるんですよ。回を重ねるごとに、研ぎすまされたモノローグが飛び出してきて胸を締めつけるんですよ。ふたりで夕焼けを眺めている場面も、あのシーンもこのシーンも、はい、最高ですね。今ここにたりないものは何もない。
また、タイトルにもある赤、咲く、声、といったモチーフのストーリーへのちりばめ方も素晴らしいのです。そこへこの演出が合わさって、緑川先生、漫画という表現方法でこの物語を描いてくださってありがとうございます、と感謝を捧げずにはいられません。
最後の話はある人物視点の番外編となっており、私のいちばん好きな話でもあります。ラスト数ページ、思い出すたびに目頭が熱くなるのです。国府と辛島くんを、周りのひとたちみんなを守りたい。川口さんを幸せにしたい。
ひとつひとつの場面をかみしめながら、大切に読みたい漫画です。夏目友人帳でおなじみ、緑川ゆき先生の初連載作『あかく咲く声』全2巻、配信中です。ぜひ読んでください。
(編集:片岡|作成日:2020/3/3)