好きになりなさい【イラスト付】

著者椎崎夕
画葛西リカコ

ジャンル：ボーイズラブ小説
長さ：220ページ
3.9 （7人） 7

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作品詳細

著者椎崎夕
画葛西リカコ
発行大洋図書
ジャンルボーイズラブ小説:社長・上司/年の差/大学生/メガネ/スーツ
レーベル SHY NOVELS
紙初版日 2013年10月31日
レビュー
3.9 （7人） 7

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ニ十歳になったら、あなたは私のものになる──
母親の庇護者であった宮原が亡くなった十七歳の夏、宮原の秘書だった有木に、史哉はある取り引きを申し出た。母さんにはなにもしないでほしい、代わりに、自分を好きにしていいから、と。病いがちな母親を守るため、必死に考えた結果だった。有木と知り合ってからの時間は長いものの、史哉は彼がなにを考えているのかまったくわからなかった。そんな史哉に、有木は取り引きの意味を確認し、その証としてキスをする。そこから先は二十歳になってからだと告げて。有木がなにを考えているのかわからず苛立ちを抱えたまま、史哉は二十歳の夏を迎えることになり！？

（※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています）

2 6 テオこの作者さんはタイトルがユニークで思わず目を引くセンスがあると思います。この作品も表紙とタイトルから「年上スパダリに翻弄されていく純粋な主人公」という図を想像しながら読んだのですが、終始温度が低く盛り上がりに欠ける感じで残念。まず幼い時に父親を亡くし母子家庭で育ってきた主人公の史哉…美貌の母親に良く似て繊細で綺麗な若者という設定なのですが、それ以外の魅力が伝わりにくい。母親が病弱（ゆえに経済的に困窮）やり手の実業家の老人宮原の内縁の妻となり相手が死亡するも、遺言その他で生活の保障はきちんとされており周囲（実業家の息子たち）もそれを認めている。辛くあたられたり遺産を放棄しろと責められることもないので「何が問題なの？」と思ってしまいますが、要は「元秘書有木が自分達の世話をしてくれる＝母親を狙っている」というだけ。そしてそれを避けるために「だったら顔の似ている自分が相手になる」という突拍子もない契約を持ちかける…でもそれは「有木はゲイ（バイ）」という噂を鵜呑みにしたからですよね？それなのにそこまで母親が好きだと？対する有木も少しずつその生い立ちが明らかになっていきますが感情がほとんど見えてこないので、キャラが掴みにくかったです。実はずっと史哉を愛しく思っていて契約を機に「私を好きになりなさい」なのかと思いきや（源氏の紫の上状態）「ずっと見つめていたのは、宮原から“母子を見守っていれば自分に大切なものがわかる”と言われたから。契約を持ちかけられてキスされた時に自分の気持ちに気がついた」とナンダソレ？な理由。喜怒哀楽に欠け家族の愛情を知らずに育ってきた有木に人間らしい感情を学ばせたかったって事なのでしょうが無理やり感あり過ぎ。宮原の息子たちもしつこいくらい迫って来ますが（孫の勝三ひとりくらいならわかる）オヤジたちを惑わす程の史哉の美貌と魅力が充分に描かれてないのでちょっと困惑。とにかく話が有木に関するゴシップとそれに惑わされる史哉のモダモダ、何だか能天気な美人の母親、やたら迫ってくるキモいオジ…と半径数キロという狭い世界の中で完結していたので萌える箇所が少なかったです。“3年間はキスだけ…”なんてストイックでそれなりに色っぽいはずなのになあ。有木が普段のクール仮面を外してもうちょっとワイルドになったりSっ気を出してくれてたら良かったかも。評価を下げてすみません。 2019-12-29 3095897 1 0 xrnI-a-v2 Dk5-%A5%C6%A5%AA-v2