ゆうやけトリップ
墓下トンネル、ループ階段、生首神社の鳥居――ふたりで歩けば、怖くない!近頃、学校で噂される「ご町内心霊スポット」の取材を任されてしまった新聞部の茜は、放課後の教室に一人残っていた物静かな転校生の雨村さんに声をかける。その日から、夕焼け色に染まった階段と坂の町を巡る「ふたりだけ」の特別な時間が始まった―。懐かしくて切ない、優しい世界の怪談漫画!
(※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています)
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ゆうやけトリップ 1巻【特典付き】
ゆうやけトリップ 2巻
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エディターのおすすめ
「帰り道ふたりで心霊スポットに寄り道しませんか?」
そんな出だしで始まる『ゆうやけトリップ』。ここだけ読むと心霊物かと思われがちですが、どちらかというとライトミステリで街の噂を確かめに回る放課後の小さな冒険譚、やさしくて懐かしく少ししんみりするお話です。
主人公の二人は対照的で、小さくてちょこまかと動き回り『小動物』と評される蜷森さんと、物静かでおっとりとした非常に長身な転校生・雨村さん。
クラス内ではほとんど認知されていない関係ですが、放課後の寄り道の中で交わされる微笑ましい会話は二人だけの秘密でもあります。また会話の端々からお互いを思い遣る気持ちが滲んでおり、とても優しい気持ちにさせてくれます。
二人が探す噂の真実はどこにでもありそうな、分かってしまえば他愛のないものでしょう。しかし、二人の放課後の寄り道はかけがえのない思い出の時間として残るのだと思います。
グレースケールで描かれる宵の坂町はどこかぬくもりを感じさせ、その造形も坂の町の名の通り無数の階段にレトロな街並みと、とても魅力的です。また描き込み密度もさることながら空気の匂いさえ感じるような描写に、タイトルにもあるゆうやけに通ずる薄暗さ。
とあるシーンでカラーページが挿入されるのですが、今までグレーで表現されていたこともあり、非常に鮮やかに心へ沁みてきます。この作品一番の見所かもしれません。
そして転校生の雨村さん。彼女がいつ転校してきたのか蜷森さんは覚えていません。そんな雨村さんは蜷森さんにある問いかけをします。
「幽霊って…いると思う?」
(編集:平|作成日:2022/12/7)