小説 らくだ
かんかんのうを
踊らせるで
有名な古典落語「らくだ」
兄貴分やらくだの生い立ちにも迫り肉厚の作品に――是非、ご一読を
――――桂文治
一緒にいることこそが、不幸せではありませんか?
大きな体で大酒飲みの荒くれ者で、長屋や近隣の住民たちから嫌われていた通称「らくだ」。ある日、らくだの兄貴分、半次が長屋を訪ねると、らくだが死んでいた。半次はその弔いの金の工面をするために、通りかかったくず屋の久六を呼び止める。らくだの死を知らされ、驚く久六だったが、半次に脅され、長屋の月番や大家に金品要求の言伝てを行うはめに。出し渋るところには、らくだの死骸を運んで「かんかんのう」を踊らせ、ついには香典や物品を入手する。やがて、久六はらくだの母親のもとに使いに出かけるが――
複雑な滑稽咄を人情咄として再構成、小説 古典落語シリーズ第3弾!
松浦シオリ・装画
(※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています)
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