丹波麗司は魔性の男。男色家。そして恋多き男であった。恋と言うにはあまりに歪つで、でもそれは確かにあの頃の彼の恋の形であった。
『連地獄〜白薔薇編〜』に続く、赤薔薇・麗司のショウハウスで歌っていた時のエピソード2本を含んだ1冊!
大正末期、美しい少年・麗司は美しい父親に恋をしていた。由緒ある能楽一家・丹波家にはしきたりがあり、濃い血を残す為兄と妹は夫婦となった。望まぬ結婚に狂った妹より生まれた子・麗司は母親に良く似た美しい男に成長する。丹波の血の因果か、はたまた狂い死んでいった母の呪いか……麗司は父親を恋慕い、強く愛する様になる。心に闇を抱えた父親と少女のような心を持った息子の行きつく先ははたして……