レビュー一覧

挿絵が非常に綺麗です。物語としては、冒頭から終盤まで通奏低音のように静かで暗い背徳感が流れていて、文学的です。一点ひっかかって仕方ないのが、娘であり妹である家族を喪ったのに、父と兄がさほど悲しんでいるように見えないこと。いくら多くのことが主人公を手に入れるための罠だったとは言え、そして妹が人格的に欠陥のある人間だったとは言え、たった1人の女家族を亡くして、ああまで冷静でいられるものなのか…

話的にそれほど大きな展開はなく、ハラハラしたりすることはありませんでした。エロいですが、受けの子が思っていたよりも激しく喘いでいないので、そこが少し残念かなと（笑）これは個人の好みの問題ですが。普段の大人しい面と淫乱さのギャップをもっともっと押し出していただきたかったです。

これって妹が生きてたら成り立たなかった関係ですよね？きっと。でも、今迄抑えられていた自分でめわからなかった本質が義兄と義父によって、表出できて愛される喜びを知れて良かったです。