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キャラの描き分けが不十分なせいで全体のつながりが若干飲み込みづらいものの、素晴らしい青春群像劇。プロローグで教育実習生から俯瞰したクラスの様子を描き、その後1話ずつ各生徒の恋や悩みを扱っていきます。各話のゆるやかなつながりが巧みで、読み終わって大満足。まだまだ洗練されていない部分はありますが絵には独自の雰囲気があり、ときおりハッとえぐられるネームも含め、とても良かったです。他の作品も速攻揃えました(この方本当に群像劇がうまい)。
日常でも、映画でも、もちろんマンガでも、群像劇が大好きです。もしも、人の想いが糸であるなら世界は素晴らしく複雑で美しい織物みたいになっているんじゃないだろうか。などと、日々妄想逞しく過ごしている訳ですが、何が良いって、糸の色が赤だけではないのがいい。糸の太さが揃っていないところがいい。途中で千切れていたりするのもまた美しい。この不完全で揃ってないところを引きで見た時の全体としての表情がとても美しいと感じます。このマンガのさり気に凄いところは、この作品に描かれていないはずの外側を感じるところです。本当に世界のほんの一部だけを切り取ったようなカメラのような視点が個人的にシビレるくらいカッコイイと感じられるのです。
どの話も小さな棘が残るような感じでしたが、描き下ろしでキッチリ未来への希望を見せて頂き安心しました。実習生の彼にも、彼を想ってくれる友達がいてホッとした。やさしいやちよから続いている夕彦くんの話の続きが気になるので、いつか続編を読めたらいいな〜。
あるひと組のクラスの生徒たちの、一見にぎやかに笑いにあふれているように見えるけれど、それぞれ心の奥ではそれぞれの想いを抱えていて、偶然のように必然のようにだれかと関わって日常が進んでいく、その様を複数の視点で描くことによってあざやかにきりとってみせてくれていると思います。クラスの面々でない人の後日談もいいです。
非常に巧みな群像劇です。この方の描く思春期の少年達は本当に素晴らしいのですが、この作品は特に素晴らしいです。人物の描かれていない部分まで想像してしまい、ピックアップされていないクラスの誰かにも、きっと物語があるに違いないと思わせてくれます。それは、学生時代(とくに高校生まで)の、異種な人達が雑多にまとめられたコミュニティ=クラスの独特な雰囲気がとても良く出ているからでしょう…これには胸がかなりザワザワさせられますが…身近にホモ多すぎやしないか…とちょっと思いましたが、女子校出身者としては、恋愛と友情の垣根が曖昧になる感じが思い出されて、これまた胸がザワザワ…他の方の感想にあるように、キャラの描き分けがかなり微妙なのですが、作者さんはネームがお上手なのではないでしょうか。私は全く混乱せずに読めました。セリフにハッとさせられるところもあり、何度も読み返すのが楽しい作品です。
すごく好みがわかれそうなストーリーと絵柄です。作者さん買いするような方にはおすすめ。高校生(しかも男子校)という限られた空間の限られた時間の中で、それぞれに思うところがあって、だけどその気持ちに名前をつけることはなかなか難しく、「あっ」と思う瞬間を描くその雰囲気がこの作者さんならではのものだと思います。「人の数だけ自分がいて、その全部が偽物で、全部が本物。」と言う江崎くんのセリフにドキっとしました。大人になるにつれてそういうのがうまくなっていくし、だけどたまにほんとの自分って何だっけ…と思うようなこともあるけど、高校生という大人一歩手前の年頃はまだ飛び立つ前の雛状態。色んな自分を知って、「こんな自分もいたんだ」と発見したり、「見えづらくなっていただけだけど確かにいたんだ」と思う日々を繰り返していく真っ只中なんだなと思いました。
凄いのひとことにつきます。パンドラの箱って作品の続きがこの中に、、こんなつながりが。みんなの角度から話が繋がっていくから読後感凄いです。話が作り込まれていて読み物としてよかった。ただ惜しいのは登場人物が一部似ていてかき分けがもっと出来ていたらわかりやすかったかなと。みんなにも読んでみてほしいです!
☆4.5 内面の描き分けは充分。こころに刺さる台詞に徐々に解像度が増す教室の風景。これだけ連関している群像劇だからこそ、見た目の描き分けの甘さが惜しくて仕方ない。お話は濃縮しすぎにも感じますが、元来「濃密ネーム」な作家さんなので、5人+αの群像劇を一冊にまとめるとそういう印象になるのかも。なので、再読で高まるお話かなと思います。お話の比重は4人目の広と5人目の論(と兄)が一番大きく、そこだけでも充分群像劇になっているので彼らを細部まで描いた物語が読みたくなりました。一部「やさしいやちよ」に関連していますが、未読でも本作に影響はしないと思います。
思春期ならではの揺れる心情が上手く描かれています。後に残る作品だと思います。
群像劇むっちゃ楽しい。相手を想う気持ちが入り乱れ勝手な思い込みと現実とのギャップ。予測不能でそれが面白い。
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キャラの描き分けが不十分なせいで全体のつながりが若干飲み込みづらいものの、素晴らしい青春群像劇。プロローグで教育実習生から俯瞰したクラスの様子を描き、その後1話ずつ各生徒の恋や悩みを扱っていきます。各話のゆるやかなつながりが巧みで、読み終わって大満足。まだまだ洗練されていない部分はありますが絵には独自の雰囲気があり、ときおりハッとえぐられるネームも含め、とても良かったです。他の作品も速攻揃えました(この方本当に群像劇がうまい)。