レビュー一覧

老いを感じる年齢を迎え始めた私にはとても響く作品でした。少しずつ登場人物が触れあう程度ではあるけど関わりがあって意図せずに影響を与えたりしてそこが良かったです。

タイトルにぎょっとしますが、日常のなかの悲喜こもごもが静かに描かれていてとても面白かったです

これは映像化したら素敵な物語になりそう。わかりにくいと言えばわかりにくい。テーマが見えにくいと言えばその通りかもしれないけど、わたしは余白を楽しめる感じが気に入りました。薄い壁越しに緩やかに交わる隣人たち、それぞれのほんのすこしの交わり方が良いなと。好き嫌いは分かれそうですが。

主人公の部屋が空き家になったもしかして…と想像して悲しくなった。でもそれと同時に幸せな人生だったのかなと。老いる事を嫌う人が多いけれど、それは避けられない事で、生きなきゃいけないとおもわせられる本でした。

作者の、「プリンセスメゾン」が好きで購入。この作品も同様に、暮らしの風景と、その人が何を夢みているかを丁寧に描くことですごく巧みにキャラクターの人生を描いているなと思いました。プリンセスメゾンと決定的に違うのは、本作の主人公が抱くのは、現世では永遠にかなうことのない架空の世界の夢だということでしょうか…。キャラクターに感情移入しながら読んでいたので、心をつかまれるような、とてもさびしい読後感になりました。。でも後味は悪くありません。心に残る作品です。

作家さんが好きで購入。漫画の表現の可能性広げて魅せてくれるような幻想的な作品です。とても素敵！自分はとても好きです。

女性の一人語りストーリーかと思いきや、作者とメインキャラクターの想像力に脱帽です。池辺葵先生の表現力たるや。作品はどれも内容詰まってて面白かったです。

数回読み直して初めてきちんと登場人物の見分けがつき、彼らの間の淡い関係性が見えて来ました。レビューの中に「底辺の話」というような書き方をしたものもありましたが、そして確かに階層への示唆はあるのですが（タイトルがタイトルですし）、それを押し付けがましいテーマとして回っていく作品ではありません。どぶがわの近くで育って、今もそこで暮らす1人のお年寄りの心の世界の豊かさと、その周りにいる人々がふわりとそれに気づき、何気なく影響されることの豊かさがテーマです。切なく優しい読後感が残ります。

作者買いです。幸せは人によってそれぞれだと教えてもらえるお話でした。大きな山場はなく淡々とそれぞれのお話が並行して進みます。穏やかなお話が読みたい方にはオススメです。

作者さん買いです。こちらもとてもよかったです。作者さんの作品大好きです。