レビュー一覧

「少年魔法士」がとても面白かったので借りたのですが…　なんだか訳のわからないまま終わった、という感じです。読み返したらまた何か印象が変わるのかな？でも読み返すほどでもない…　1チケがあればよかった。

生死のあり方を問う、壮大なテーマ設定。魅力的な人物が揃っているし、古事記の中でもマイナーな題材と、スカボロ・フェアを絡ませたミスマッチが面白い。なのに、……この一大機密プロジェクト、あまりにやり方が杜撰過ぎ。不特定多数に配って、「営業」って。終盤の種明かしでは、竜が子どもだから「よく分からない」のではなく、読む方も分からんわ、と突っ込みたくなる。企画段階での練りが不足していたか、大人の事情で予定の枚数が書けなかったのではと思った。一言で言えば、「惜しい」作品。作者がこのテーマにもう一度がっつり向き合った、「完全版」を読んでみたい。

著者の作品大好きなんですよね。少年魔法士とかもシツコク待って完結まで読んだクチです。不思議で人の心をえぐってくる話が私はつくづく好きみたい。必死になったり、物事に誠実に向き合ったり、心揺れたり、そういうシーンに心打たれるのは、自分がそういう風に生きたいからなのかなぁ。ラストがモヤモヤする。主人公が初めに望んだ結果にはならない。でも救いはあるって部分で星1つマイナスにした。感想書いてて思ったけど、理不尽な出来事でも自分で考えて行動して苦しんで結果を出していく人を私は尊敬してて、自分もそうなりたいみたいだ。というわけで、心揺さぶられたい人にオススメの本です。

作者買いですが、今回はいまいちでした。この人は設定もストーリーも凝ってて、メッセージの伝え方も上手い、ちょっと他では見られないような作品を描かれるのですが、今回はそれをすべて出しきるだけの時間がなかったようです。今後どうなるのか…波乱がありそうな訳でなく、単に「悲劇」として終わったようなラストでした。

壮大な設定で、野心的な作品だとは思いますが、何せ理解が困難で・・・雰囲気を楽しみたい人には良いのかもしれませんが、理解したい人には困った作品かと思います。

何だか意味不明な得体の知れない死者の蘇りが起こり説明が中途半端だからか難し過ぎて理解不能でした。

今回は初めてなるしま先生の話であまり面白くなかった話でした…畳み方が早かったし、キャラの掘り下げも少なかった気が。お兄ちゃんたちの退場はそこでするの！？というような、けっこう鬼のタイミングで退場されました（あの二人の性格だったらむしろ残ったような）。それよりも鬼だったのはおばあちゃんですが。バラッドと絡めてきたところはいつものなるしま先生です。最高です。でもやっぱりなんというか、本領発揮する前に話が終わったというか、ページ多めのダイジェスト版という感じで、できればもうちょっと長く続けてほしかったです。

かなり勿体ない作品ですね。ミステリーと日本神話をミックスさせてそれを現代に落とし込んだ壮大なテーマの割りに設定があまり練られていないのか、全体的にふわっとしていて何も確信をついてないので疑問ばかりが残りました。たったの2巻で終わっているのはそういう事なんだと思います。

大好きな作家さんですが、これはあまりはまれませんでした。主題も設定もものすごく面白くなりそうなのに、大急ぎで〆ちゃった感じ。打ち切りなの？

怖いけど、恐ろしくはなく?読み応えもあり面白かった。