レビュー一覧

時間がゆっくりと流れているような、不思議な空間がありました。標準語だとキツイ物言いも京言葉のはんなりした感じがゆるゆると聞き流してしまいます。

しっとりとした空気感の話です。侑央と千秋の関係が切ないです。侑央は長年千秋の兄を、そして千秋は侑央を想ってきたのですが、兄の死によってそこに変化が起こります。最初は侑央の側で読んでいたので、京都に帰ってきて、ぐいぐい迫ってくる千秋がちょっとこわかったです。でも過去の話、千秋がどれだけ侑央を想ってきたのかを知ると、切なくて切なくて！早く応えてあげて！という感じでした。最後は本当によかったです。

木原先生の嫌な奴を思いだしてしまいました。最後はハッピーエンドなので後味は良かったです。途中、受けが攻めに怯えていたので苦しかったです。

面白かったですが、受けが好みではなかったので、この評価です。

最後は千秋の執着勝ちですね！無理矢理体からの関係になっても、ユキもほだされてすまったんでしょう。はんなりとした京言葉で、全体的に物語がしっとりと流れていき、京都の町屋が浮かんでくるようでした。

評価を下げて申し訳ありませんが、この作品は合いませんでした。攻めも受けもどちらも好きになれず。受けが攻めの感情について憶測も推察もせず、まるっと無視していることが序盤は気になりました。攻めも攻めで、頭の良いキャラの割にやり方がヘタなんじゃないかと矛盾を感じたり。何を考えているか分からない、と受けに思わせ、またそれを読者にも印象付けるのであれば、攻め視点はなかった方が良かったです。一巻で散々高校時代について触れていたにも関わらず、また二巻で回想話が入っていましたので、辛くなって殆ど飛ばし読みしてしまいました。執着攻めは基本的に好きなのですが、期待とは違っていたので残念です。

かわい有美子先生の上品で美しい文章が大好きなのですが、この小説はそれが遺憾なく発揮されています！京都の街並みや言葉や服装小道具など細部にまで丁寧に描写されていて、旅行に行きたくなります。大きな山場はないのですが、しっとりとお話が進むのもこの世界観に合ってるなと思います。優秀な兄に複雑な思いを持ちながら、ずっと侑央に恋い焦がれてきた千秋の執着が凄く良かった。侑央の未亡人のような危うい色っぽさも良いです。一巻ではまだ距離があった二人が、二巻で少しずつ甘くなる様子に萌えました。まとめて読むのがオススメです！

糸し糸しと言う心、と書くのは戀です。作中で、千秋が習う都々逸が良いスパイス。そしてバスの中から千秋がユキを見送る行では、読んでいて涙が止まりませんでした。読んでいただけなのに、千秋の切なさが伝わり絶望に襲われました。

星100くらいつけたい！本当に名作と呼べる。京都弁がまたすごくこの作品の雰囲気に合ってていいです。

もーとっても京都！という感想が一番に出てきました。著者さんには他にも京都を舞台にした作品があるけれど、こちらの方が「京都度」高いですね。何がというと「はっきりさせない」。これに尽きます。かろうじて二巻で進展しているように見受けられますが、不安定要素はいっぱいあるままです。その辺が好き嫌い分かれるかもしれませんね。