レビュー一覧

御館の乱関連が読めて幸せです。出てくる人が似ているように感じるのは、表情が似ているためかなｧと思います。

景勝×菊姫カップリングが正義な私としては、まさに理想の物語であり、事実こうであってほしいという物語でありました。作者によっては蔑ろにされがちな四辻の君や上条入道に対しても、しっかりと人物を描いていたのは好感をもてる人物設定でした。さらに景勝と三郎景虎との関係や、対立に至る悲劇まで描いてくださったのは本当に二人の人物を好いてくださった方なのだと、感銘をうけました。上杉家を描く作品は多々ありますが、自分としては本当におススメの一作です。

この作者はけっこうNHK大河ドラマ絡みの作品を書くんだけど、これは直接直江兼続ではなく、上杉景勝の妻が主人公になっています。直江兼続とその妻もちょこちょこ出てくるけど。

不器用で不愛想なイメージの上杉景勝が、生き生きと恋する姿が見れて楽しかったです。

史実は詳しくないですが、面白く読めました。

菊姫の内助の功が上杉家臣にも尊敬されていたと聞いていました。大名の奥方の務めは大変だなぁ…

とにかくお約束な展開で絵もお上手とは言えませんが、生々しさがないのが好みです。本作の菊姫も、性格も見た目も派手ではない、普通の可憐さが良い。ラストの菊姫が隠していた本音の出たお別れのシーンが泣けました。

相思相愛の夫婦であるのに切ない。登場人物はみな良い人はばかりなのに，それでもどうしようもないのが本当に切ないです。

人間は生まれながらにして悪、って決めもないけど、常識や価値観が違うのに、現在の価値観を当て嵌めて善人を作る作風が少しうんざり。

やっぱりこの作者さん、顔の書き分けが苦手みたいで、みんな顔が似てる…