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幼い頃からずっとモミの心の支えだったイブキ。お互い想いあっていながら遠く離れてしまった二人が、中学生となって再会するのですが、正反対のタイプの二人はそれ故惹かれ合いながらもすれ違いを重ねてしまいます。一方、どこかモミに似ている雰囲気を持つ佐原。これがまぁまた魅力的な年上の男で、モミは憧れと情を抱いていきます。この情っていうのが曲者で、人間愛的な愛情とでも言いますか、佐原はモミに気があるだけに非常〜にあやふやなんですよねぇ。三角関係(と言ってもモミは一貫してイブキを愛してはいますが)にヤキモキしてしまう方は、佐原のその後が描かれた「ONLY IF」も併せて読んだほうがいいかもしれません。でも穏やかで読後感は悪くないです。この方の世界観もホントに唯一無二で、読んでいると何とも言えない幸福感と安心感に包まれます。
内容の濃さにまず驚きます。簡潔にモノローグで語られている部分の登場人物たちの心情を考えたりすると、ページをめくる手が何度も止まり、読み終えた時は単行本2、3冊分くらい読んだような感触がありました。タイプの違う三人それぞれが、初めて知る恋情と、大事な友人への誠実さとの間で揺れながらも、相手を大切にする姿に打たれます。藤たまきさんならではの素晴らしい一作だと思います。
あとがき読むと家に帰ったようなホッとした気持ちになります(笑)コミックスの初版は98年だそうで、まだBLという言葉がなかった頃のこういうモノはジュネと呼ばれていたし、それは決して堂々と表に晒してはいけない嬉し恥ずかし乙女の秘め事のようなもので、その頃の空気を吸って育ったわたしにはもう、問題なく心地よい作品でした。繊細で耽美、小説を読んでいるのか漫画を読んでいるのか分からなくなる絵と言葉の美しさが藤たまきさん作品の大好きなところです。子供の頃からの恋心を思春期になって成就させたモミと息吹の、このどこまでも噛み合わない恋愛に、こちらまでかなり翻弄されてしまいます。かなり手ごわい…というかある意味で本命を超えてしまってる佐原の存在感もまた凄いですね。佐原、もしかして死んじゃうのかと思いましたが、違いました。死んじゃった方が収まり良い話になったはずなのにみごと復活させてしまうこの意図に身悶える思いです。それによりこの何ともすがすがしいグダグダ(いい意味です)のラストにたどり着いたかと思うと、もうたまりません。(わたしには、天秤木馬の読後感に似てると感じられました。嶋田双葉さんの新作はもう読めないと思うので、藤たまきさんに託しちゃってます)
作者様が大好きでこちらの作品も購入しました。画面から流れる空気感とかキャラの感情がじんわりしてとても良かったです
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幼い頃からずっとモミの心の支えだったイブキ。お互い想いあっていながら遠く離れてしまった二人が、中学生となって再会するのですが、正反対のタイプの二人はそれ故惹かれ合いながらもすれ違いを重ねてしまいます。一方、どこかモミに似ている雰囲気を持つ佐原。これがまぁまた魅力的な年上の男で、モミは憧れと情を抱いていきます。この情っていうのが曲者で、人間愛的な愛情とでも言いますか、佐原はモミに気があるだけに非常〜にあやふやなんですよねぇ。三角関係(と言ってもモミは一貫してイブキを愛してはいますが)にヤキモキしてしまう方は、佐原のその後が描かれた「ONLY IF」も併せて読んだほうがいいかもしれません。でも穏やかで読後感は悪くないです。この方の世界観もホントに唯一無二で、読んでいると何とも言えない幸福感と安心感に包まれます。