レビュー一覧

ガチ兄弟。だいぶ軽くサラサラ平坦に進むけれども、最後まで読むとじわじわくるものがある。それでもう一度読んでみたくなる(後半だけだけど)。とはいえ、あまりにも考えなしで何だかなーと思う人も多いかも。弟はかなりやっちまったけど、兄も兄でやばいな、って感じるラストがよかった。レンタルがかなり安くて手を出しやすかったけど、アップグレード悩むくらいに終盤だけ何度か読みました。

シューヘイ視点だから最後は兄を自分のエゴで後戻りできない道に引きこんでしまった…ような苦悩ENDだけれども、サトルの立場ならどうなんだろう。彼女やお母さん、自分の将来をつぶしてシューヘイを選んだ理由は優しさだけとはとても思えない。自分に懐くかわいい弟を、それらすべてを捨ててでも手放したくなかったように思えた。だから最後はなるべくしてなった関係な気がする。あと、大好きな夫にそっくりな長男と自分にそっくりな次男が恋愛関係になったこと、お母さん理解して許してくれないかな。お母さんがシューヘイばかり気に掛けるのは、自分と重ねていたからのように見えるし…この先が暗い未来にならなういように願ってます。ショートでいいので幸せな続き見たいです…。

んんんー(苦笑)? な結末。健全ハピエンイメージの作家さんが描く実兄弟メリバ物ってどんなかなの期待と、レンタルあったので読んでみたんですが…。友達がイイ子なのはいつも通り(飲酒喫煙はあり)。それ以外は何と表現するのが適切なのか…んー、繁華街に集う若者のドキュメンタリーみたいな感じかな。かと言って何かを考えさせられる事もなく。最後まで興味を失わずに読めたのは偏にメリバへの期待があったからで、終わってみると何とも呆気ない。弟の苦しい胸中はほぼモノローグだし、兄視点は質量ともに物足りない。勝負を分ける局面にはちょっと疑問な反応も挟まれてたし…湿り気のある画なら印象違ったのかなぁ。

面白かったです！「こう終わらせるんだ！」と感動しました。余韻が残るエンディングでしたね。続きは無いとは思いますが（綺麗に完結してるので）、気になるところもいっぱいあるし、この先2人がどうなるのかも知りたいんだよなぁ……またこの2人の話いつか描いて欲しいです笑

作家買い。ですが、表紙の人物の表情に不安を覚え、購入を躊躇っておりました。読んでみると、なるほどと表情の意味を知りました。これまで読んだ会川作品のなかでも一二を争う程に、読み応えがありました。苦くて苦しいテーマです。幸せに見えても辛い、重苦しい、心の晴れないそんな言葉が浮かんでつきまとう話。いつもの、明るい穏やかな作品を期待しては裏切られます。でも、決してそれは狂喜では無く、無垢な愛。登場人物、皆、思いやりに溢れている。そんな様々な形の愛情が連なって、それが実を結んだ結果なのだけれど…。この作品を読んでナニを思うかは各々。私は非常に満足のいく作品でした。

弟可愛くて甘やかす兄サトル。中良し兄弟ゆえにサトルへの恋愛感情に思い悩むシューヘイ君の不器用さが愛おしい作品です。とにかく悩んで家出して、シューヘイくんの単純な行動と諦めきれない心情がわかりやすいです。お母さんがヤンチャな次男を心底心配してるのが伝わってくるだけに、この兄弟の禁忌感が増しました。

気持ちは純粋でいいけどやっぱり家庭内なのが引っかかる。

普段の楽しい会川作品も好きですが、メリバもよかった。落差が際立つし、お兄ちゃんの仄暗さもよい。でも思い返すと、心底までは理解し合えないけど寄り添う二人は他の作品にもみられたような。お好きなテーマなのかも。そして、最後の笑顔が、二人の噛み合わなさをより強調していてすき。思い切って大事なシーンを飛ばして時間が経っている演出もいい。この後は、いずれシューヘイが耐えきれずに逃げ出しそうな気もするし、サトルは自分が結婚しても弟を逃がさなさそう。どんな展開も楽しめる。

これは。凄くヒリヒリします。言葉が出ません。読み終えて、幸せに浸ればいいのか、これで良かったのか、不安が拭えない感じ。少なくとも、今まで様々読んできた中で、忘れられない、強く印象に残る作品です。

心が……ちぎれるぅ…。。。弟のシューヘイの気持ちがじわじわと伝わってきて心が……。ハピエン大歓迎勢の私からしたら苦しすぎる。。最後の局面でのサトルの顔を見たシューヘイが一番危惧してた展開になって苦しくなりました。その前のシューヘイの悲痛な心の声ももう……。でも読めて悔いはないです。でも…ちぎれるぅ……。