レビュー一覧

まず前提として、本書は「不登校を乗り越えた話」ではありません。漫画は数年前の一時的に登校できるようになった時期で終わらせているだけ。現在、中学生になった息子は支援校に進学するもほとんど通えず、引きこもりだそうです。漫画本編はモンスター母子が無双する超主観的他責&自己愛物語。自閉症の特性バリバリなのに療育はせず（そもそも特性に気づいていなかったよう）、不登校は先生や学校のせいと言わんばかりの描写にイライラします。さらに全編通じて透けて見える「頑張ってるアタシをほめて！」オーラがイライラに拍車をかけてくれる、モンペの生態がよくわかる一冊です。旦那や義母、時には同級生にも責任転嫁。母親同伴で給食だけ食べに来たのを同級生から「甘えてる〜」とからかわれたことでスイッチが入り「殺す！殴る！」と大暴れの息子。それを見た母親はからかった子を早く注意すればよかったと後悔…いやあ、からかうのは良くないけどね。暴力ふるったり、殺す！とか暴言吐くほうが明らかにヤバいでしょ？付き添い登校は登下校時だけでなく、授業はもちろん、給食、行事の練習、遠足（！）まで母親がべったり一緒。しかも親が一緒でもパニック・他害がコントロールできず、ささいなことで泣き叫び大暴れ…同じクラスの子はたまんなかっただろうな。作者は「息子が行きたがるから」と付き添い登校を続けたそうですが、パニック・他害がある時点で登校より治療・療育を優先すべきだったのでは。クラスメートの迷惑かえりみず、息子優先をゴリ押しした結果が、現在の引きこもりに繋がっているようで…自閉症児の障害受容と早期療育の重要性が改めてわかりました。

不登校になると親が不安になるのは分かりますが、母親が不安定になるとお子さんへの影響も大きくなるので、違う方法で頑張ったらいいのにと思いました。

モンペの代表と、そのモンスター子供が描かれているだけの不快な漫画です。この違和感に描いてる作者本人が全く気付いていないことが恐ろしいです。息子さんは見るからに障がい者なのに適切な福祉の環境へ繋いでもらえずモンスターに。そのモンスターを頑張って育ててるのに、周りが悪い！私頑張ってるのに！と他責と自己愛万歳の毒な母親。こうならないようにしよう！の参考書にお薦めします。ちなみに私は教育現場にいます。こんなレビュー書いちゃダメだと思います。でも、療養など福祉機関にいかなければこれから大変な思いをするのはご家族と本人なんです。そして、教員達のメンタルもこんな保護者ばかり増えては対応しきれません。ある意味そういった面も改めて考えさせられる一冊です。

自分も不登校でした。この漫画のお母さんは子供に寄り添ってくれているので、わたしの家はほったらかしだったのでうらやましいと思いました。