レビュー一覧

大人のためのお伽話、絵本みたいな感じでしょうか。この2作品は「妻小」の前の構想であったのを「妻小」後に形にできたのだとのこと。確かに「妻小」のキャラや死生観と繋がっていますし、どちらも素敵でますます村田先生のファンになりました。先生の感性、大好きです！ご自分で絵が下手とおっしゃっておられていて、それを指摘する人もいるとは思います。でも先生の感性を具現化するにはこの絵じゃなきゃダメなんだと思います。マンガにとって絵は言葉と共にあるメッセージです。メッセージは伝わるかどうかで、上手い下手の問題ではありません、それは先生がかつて目指しておられた音楽と同じですね。先生の作品には音楽のようなメッセージと共に、音楽のような“流れがあって、それも大好きです。

鬼がついたお母さんの女の子は頭のてっぺんに付いた触角みたいな髪型が嫌でしたがストーリーはそれなりに面白かったです。

不思議な世界観のストーリー。結構自分はこういうの好きです。青年漫画の良さ。

なんとなく、絶望の中に希望が見える。そんな内容でした。1000回も失敗して、1000回も絶望して、1000回も苦しんで。それでも1001回目に報われた。だけど、たった1回のために、1000回も苦しまなきゃいけないのかな。それが自分に課せられた業なんでしょうか。『前世療法』と同時期に読んだので、さらに考えさせられました。

1000回も飛び降りなければ乗り越えられないいじめ問題の理不尽さがテーマなのか、寄り添い方でいつかは乗り越えられるという救いがテーマなのか。