レビュー一覧

涙腺がやばい。作者様のBLは全て読んでますが、これは一番好きかもしれない。異形の男の表題作は作者様の世界観にマッチしすぎ！ギーゼルベルトとマルセル、心根の優しい二人の会話のひとつひとつがやたらと沁みて困りました。いい大人になっても新たな発見をすることがたしかにあるんですよね。他者とのかかわりで生まれるそれがどんなに貴重なことか。そういうことに日々気づける二人の丁寧な暮らしは一生見ていたい。併録の短編4本も含め、愛が溢れているのが素敵。これは何度も読み返す予感。私にとってはちゃんとBLです。

爪先に光路図が大好きで何度も読み返していますが、やっぱりこの方の作品は紙でこそ映えるなと思います。ただ内容を読むだけなら電子でも十分かもしれませんが、この繊細さや透明感、全体に漂う僅かな郷愁を感じるにはちょっと相性が悪いかな。どこか絵本の様な世界観。ファンタジーというより幻想譚という感じかもしれません。俗物的な表現は殆どありませんので、性的表現を多分に含むBLがお好きな方には全く向きません。むしろ対極に位置する作品だと思ってください。カテゴライズすれば確かにBLというジャンルではありますが、この作品(表題作と中編1本と短編2本)は性別のボーダーが曖昧というかマイノリティである事を意識する事自体が無い(そこに至る所にすら到達していない)ので、柔らかくそして少し強かなお伽噺を味わいたいのなら是非読んで頂きたいと思います。でも出来れば書籍版をオススメします。

絵はとても綺麗で美しく良かったです。ストーリーは、思わせぶりな序章が最高の山場？だったかも。もっとエモーショナルな展開を期待し過ぎていたのか、水っぽくてサラッとし過ぎて、BLというより友情物語でした。48時間設定をしてくれていたら親切だったなぁ。

エロはないけど愛があります。髪や頬に触れる手に、穏やかな愛がにじみ出ています。表題作だけで一冊読みたかったな。とても優しい気持ちになれる話でした。寿命の差を考えると、ギーゼルはいつかまた独りになるのでは？と心配しましたが、きっとマルセルの妹の子供たちやそのまた子どもたちが途切れることなく遊びに来てくれるはず。

評価低くてごめんなさい。ゆっくりと穏やかな時間が過ぎていく展開のお話ばかりで、個人的には退屈でした。絵は好みだし描写が細やかでしたが、もう少し感情的な主人公たちが読みたかったです。

短かい詩の様な短編集でした。途中、名もなきキャラクターが続くので、寂しかったです。

さらっと読むと理解が難しいところもあるのかもしれませんが、直感で響いて涙が出てきたり、じっくり読んで納得したり…非常に面白い作品でした。大人の絵本でしょうか。BLかどうかなんて、野暮な話だと思います。感じる人には感じるし、感じない人には感じないでいいと思う。素敵でした。

静かで美しいお話。表題作といくつかの短編集です。小学校の図書館にも置けます。キスもないから。ただBLの芯は食ってると思われます。透明でキラキラ光る上澄みです。

作家買い。ストーリー自体が詩情説。感情が美しい絵として表されていて綺麗だと思う。エロとか色々求めてしまう人には物足りないかとしれないが、心を洗いたいときにオススメします。

1話目は、そこそこ良かったのに、後の話は、面白くなくて残念でした。絵は綺麗だけど、話の内容が、途中から読む気力が無くなってしまいました。