レビュー一覧

50年前は同性愛者にとっては今よりとても生き辛い世の中だったということが物語の端々で伝わってきますが、ジーン含めトレヴァーの周りの人達が本当に温かくて優しくてうるっときてしまいました。これから先どうなるのか楽しみです。

素晴らしい。前作も凄かったですが、こちらも溜息が出てしまう位心を持っていかれました。練りに練られたストーリーは勿論、コミカルな部分とのバランスも良く作者様の力量を感じます。色々なシーンの見せ方がとても上手くて、特にジーンの告白のシーンには鳥肌が立ちました。ただ現在のトレヴァーの側にジーンがいないのが気がかりで泣きそう…。ハッピーエンドを願うばかりです。

｢ラムスプリンガの情景｣で、アーミッシュを離れて行ってしまったジーンのお話でした。彼のことがとても気になっていたので今作ではメインCPで読めて嬉しいです。決して読者に押し付けない感情表現が自然で涙を誘いウルっと来る場面が多々ありました。ストーリーもしっかり描くところは描き、あえて触れないジーンの生死や甥っ子の名前がジーンと同じという点なども、読後に読み手に想像させてくれるので気持ちよく余韻として残ります。表紙に１となっているので次巻があるのでしょうか？ぜひ続いて欲しいです。今作でも他の作品でも吾妻先生の絵は白黒でも色が見えてきそうなほど丁寧で滑らかで、人物の表情や体のラインも柔らかく特に目元の奥行きのある安っぽくないキラキラ感が大好きです。ふとした時に何回でも読み返したくなる作品だと思います。

｢ラムスプリンガの情景｣も情緒あふれる作品でしたが、本作も良い！前作でも、ちらっと出て来たダニーのお兄さんの話。約50年前の時代が舞台のお話で、主人公達は、世の中的にはセクシャリティや思想信条（宗教）がマイノリティに属する立場にいて、今でこそ｢多様性｣なんて言葉が聞かれるけど、50年の間に様々な人が声を上げ続けた成果なんだろうなと思う。それでも、まだ、差別意識や偏見は根強いのだろうけど。映画に連れてってもらったジーンが、トレヴァーに｢娯楽なんて言うけど、教養があって初めて享受できるものだ｣と言うシーンが印象に残った。衣食住以外に生活に必要なもの、楽しさや癒し、生活に華を添えるもの。それさえも必要最低限の衣食住が確保されていて、好きな時に学ぶ権利があってとか、いろいろ考えさせられる。2人の想いが通じ合ったところで1巻は終わり、2巻へと続くようで、1巻では、回想でしか出てこないジーンはどうしてるの？2人はどうなったの？と、早く続きが読みたいです。

は〜〜〜！！大団円…！！！素晴らしい作品です。出会えて良かった。ラムスプリンガの情景のスピンオフですが、別の物語としての読みごたえ十二分です。大号泣しました。他の方も書いていますが、1本の大作映画を鑑賞したような気持ちです。吾妻先生の振り幅、凄すぎる…！！本作のようなシリアスも、他の変態ギャグも大好きです！！

かなりネタバレあるかもです。ラムスプリンガの方は結構前に読んでました。今回こちらを読んで、、うーん、、1巻は最高に良くてジーンがなぜ今いないのか凄く気になって焦る気持ちで2巻を、、。ジーンの気持ちが分からない！普通ならカナダでの留学が終わったら帰ってくるんじゃないの？！トレヴァーが可哀想でモヤモヤしてしまいました。甥っ子のジーンの手紙をキッカケにあっさり再会出来たけど16年音信不通って信じられない。ジーンにとってトレヴァーは神様なんじゃなかったの？！なんか都合よくまた同居してるし、、結局この後どういう関係になるのか曖昧だし。音信不通の間の人間関係は書かれてないからジーンに恋人がいたのかどうかも分からないし。とにかくモヤモヤが残りました。私なら16年音信不通ならもう諦めます。トレヴァーどんだけ愛が深いの！あ、カレンが凄く良い人で大好きでした。あとトレヴァーの家族も。

作品自体については皆さんのレビューの数と熱量でお分かりの通りと思うので、２巻の中身の違いについて触れます。 本編と電子書下ろしは同じですが、特装版は『完結記念小冊子』としての後日談が20ページほど収録されています。本編ラストの(特にジーンの)心情にちょっと物足りなさを感じた人はこちらを見ることを強くお勧めします。一度は終わりを迎えた関係が、お互いに歳をとり、欠けたもの足りないものを埋め合うような激しさではなく、これからの生き方も含めて新たに探していこうとする静かな予感に満ちています。恋愛モノとしては熱量が足りない、もっとラブラブが見たかった、と思う方もいるかもいるかもしれませんが、普遍的な若者であったジーンが自分の生き方は自分で選び取れるのだと身をもって知るためには、恋愛が優先順位の上位ではないという選択が不可欠だったのだと思います。これからも保守的で抑制的なトレヴァーは規則正しく同じ部屋で同じ生活を続け、自由を求めるジーンはまた学びたいことや見たいものがあれば旅立つのでしょう。それでもきっと、今度は二人は日々の連絡を取り合い、折々にジーンはこの家を『自分の家』と思って帰ってくるのだろう…そんな未来が見える気がしました。帰るところがあるから恐れずどこにでも行ける。ただの恋愛ものやBLではなく、人生の物語として最高の後日談であり新たな序章でした。あと蛇足でありこれは勝手な妄想ですが、もしも二人がまた肌も合わせることになれば、ジーンがトレヴァーを可愛がるかもしれないなぁ…とちょっとニマニマしてしまいます。（投稿名：あい）

いつ2巻目がでるの！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！随分待ってるんだけど！！！！！！！！！！！

作品としての完成度の高さと萌えが両立している！！前作の「ラムスプリンガの情景」でチラッと出てきたジーンのお話。まず前作について。とても読み応えのあるものでしたが、私はアーミッシュのやり方に疑問を持ってしまってあまり恋愛としてのドキドキ感はなかったです。(これは出来不出来ではなく単に好みの問題です)そして、今作。前作でアーミッシュの事を理解していたので、今回がっつり村の事が出てこなくてもその背景やジーンの辛さが伝わってくるし、なんといってもそれを踏まえてトレヴァーとの甘く純粋な恋愛模様が描かれているところがたまらないです！2人ともたまらなく可愛いです！！なので、もし前作ちょっと萌えなかったなーと感じた人も一読してほしいです。読まないのはもったいないです！

感動しないわけじゃないんですけど、アメリカのよくあるテレビドラマっぽい感じがしてしまいました。トレヴァーがよくある物分かりの良すぎる便利な大人になってるような。ジーンもだけど、二人とも神とか言いつつ結局のところお互いに対する熱量が低かったように思えた。こういう結末なら再会の意味があったようには思えない。