レビュー一覧

面白いです。これまでの湯煎先生の作品とは少し違っています。攻めの蕪木も受けの天花寺もクセのあるキャラクターですが、彼らを可愛らしく描いているあたりはさすがです。可愛らしいなかに、愛を得ることによって失われる辛いことも描かれていて、それがストーリーやキャラクターをより魅力的にさせてくれました。

面白かったですし、絵もとても綺麗でしたが、もう一度読もうとまではなれませんでした、、。

今までの作品と少しイメージは違いましたが私はすっごい好きでしたー。えちシーンもありますが、それよりもお話の展開が魅力的で引き込まれます。天才画家のスランプや周りからの評価などリアルで画家についての知識がない私でも理解、想像ができたので面白かったです。あと天王寺先生と橅木くんが色々こじらせてるのも可愛かった笑 橅木くんが言っていた多幸感をお裾分けしてくれる作品だと思います。

天才＝変わった口調と浮世離れはある種のテンプレ? 一方で世間の評価を気にしたり…路線変更が蓮をどっち付かずのキャラにしてるのかなぁ。一つに秀で他は無能というのはさて置き、｢稀代の天才画家｣蓮の画風と心情の変化をリンクさせたお話なので、創作過程や作品で以て｢天才｣を見せて欲しかった。テンプレ表現が不協和音。境遇とどう向き合って賛辞を受ける芸術に昇華or抑圧したかも曖昧だし、肝心の作中画に前(中)後の説得力がないと、初めて恋に触れた戸惑いも苦悩も高揚も上滑りしちゃう。分野にもよるけど、特に芸術方面(しかも抽象)の天才が、内面の動きに疎いというのも無理があるよな…。

☆4.5。こういうお話も描かれるんだなぁと、ちょっとびっくりしました。作者様のあとがきによると初期構想と比べだいぶ明るい方向へ話は落ち着いたようですが、それでも単なるハッピーエンドとは思えないところが特に面白い。とても大切なもの得た代わりに失ってはいけないものを失ったのであって、一般的には幸せと言えるのか微妙なところではありながら、それでもやっぱり個人の幸せなんて主観が全て。こういう人には今後新しい世界が広がるたび新たな絵が描けるんですきっと。ただそうなると二人の関係がどうなるのかとても気になりますけどね。これだけ絵以外のことは無知で変人なのに世間の評価を気にし、一般的な意味での高みを目指しているっていうのが…蓮ってそういうタイプと思えなくて違和感ありましたが。ストーリー的には作者様の作品の中で一番面白かったです。

登場人物たちは熱烈な感情をもって描かれているのに、自分にまでその熱は伝わってきませんでした。自分の好みとは合致しなかったようです。話は綺麗にまとまっているので、読んで損までは思いませんが、48時間レンタルがあれば良かったなと思いました。

面白い作品でしたなんか闇が深そうでそれは　掘り下げられないけど2人が　開放されて　幸せになるんだろうなと思いながら　読みました

不思議とスッキリとした読後感で、私はこの終わり方でも十分ハッピーエンドだと思いました。絵に全てを捧げて生きてきた蓮(受)のまあかわいいこと。片や樹(攻)の重いこと。部屋の様子には蓮でなくても｢一枚じゃなかったのか？！｣とツッコミ入れてしまった。作者さんの作品の中で一番好きになるかも。

受けがトリッキーなキャラかと思いきや、意外とちょこちょこ普通の感性な部分が見られて、どういう設定なのだろうと混乱してしまいました。先生の作品は好きなのですが、受けがあまり好きになれずイマイチな読後に。画壇でのその後の評価もよく分からず、明るい船出っぽく描かれていましたが、本当にそうだろうかと疑問を抱きました。うーん、スッキリしない。

かつて夢を諦め無難な日々を送るなか天花寺蓮の絵だけが特別な編集者の橅木さんと、絵を描くのが全ての蓮さん。二人の人生が重なり、お互い予想もしていなかった様々な変化が起こります。それはとびっきり素敵なこともあれば、泣きたいくらい苦しいことも。個性煌めく魅力的な二人に加え、かなりクセの強いオジサマも登場！ドキドキハラハラ、クスクス。1冊丸ごと表題作を堪能できる、大満足のコミックでした。