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苦しい。こんなに向き合えない自分は逃げてみないふりをして人生が終わったとき、何を思うのか…というか終わったら何も思わないか。残った人間が思い煩うだけ。松田ひろこさんの諦念はここから来ているのかなあ…と感じた。決して声高に、生きてる間にどうこうしたほうがいいとか、後悔がどうとか言うわけではなく、ただただ考えさせられる。東京に逃げたかった筆者の心象風景はミレイのオフィーリアなのだろうけれどわたしはこの世で一番美しい水死人を思い出した。正しいことや当たり前だと思っていることは、いつ価値が入れ替わるかとてもあやうく、絶対的な境界線を持たない。そして起こっていることと平行して深刻なはずなのにどこかおかしみがあり現実感がない気がする。死とか離別が松田さんの手にかかるとどこかしらの可笑しみが生まれるのだ。この感覚がとても好き。作品の感想は、苦しい。でもそれだけではない。逃げ出したり投げ出したりしたい。でもしないかも。どうしようかな…どうにかなるか、なるようにしかならないか…。なんとかしようとするのではなくて。そこが許容されている懐の深い作者さんだとおもう。
自分と父の関係を重ねて、、読みふけりました。最後の作者さんのコメントには涙が出ました。
昨年父を亡くしたので、読んでいてしみました。何度も読み返しています。
娘と父親の関係ってこういう風になるよな、結局のところ、こういう最後になるのが多いよな、と感じるお話でした。ハッピーエンドでもなんでもなく、こういう最後しか選べる選択肢がないのかもしれません。読後に、自分と父との関係について思いめぐらすようなお話なので、この意味では、いいお話かもしれない。
間の理不尽さや貧しさがそこら辺にあった昭和の、等身大な家族像に懐かしさを感じながら読了。すごく仲良しでもなくいがみ合いも有りながら、最終的にはお父さんを家族で看取ることができたのは幸せなことだと思います。自分自身が母を亡くしたときにここまで向き合わなかったなあという後悔も湧いてきました。身内を描くときにありがちな、ありきたりな美談ではないところがすごくいいです。
とても良かった。胸に響きました。作者の実体験が元になっているらしい作品よりも、こちらの方がずっと良かったです。作者も年を取り、仕事を続け、経験を重ねて、親子の心のアヤをこんな風に描けたのだと思います。私は作者と同世代なので、いろいろ良く分かりました。
ファンタジーでも何でもない誰にでも何処にでもあるような家族の話を父親を通して見たような読了感がありました。三丁目の夕陽のような。
私の両親はまだ健在だし、生活と教育は不足なく与えてくれた。そこには感謝している。だからといって全てが上手くいっている訳ではない。人間の感情なんて一元的なものではない。当たり前だ。近しいからこそ愛憎入り交じるのだ。時間や社会的な立ち位置がそれを変える事もあれば変わらない事もある。しかし、別離の間際だけでも構わないから愛と感謝しかない気持になれたなら、と思うのだ。この作品を読んでそう思った。
切ない感じでしたが、複雑な家族関係を経験した人はもっと共感できるように思います。
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苦しい。こんなに向き合えない自分は逃げてみないふりをして人生が終わったとき、何を思うのか…というか終わったら何も思わないか。残った人間が思い煩うだけ。松田ひろこさんの諦念はここから来ているのかなあ…と感じた。決して声高に、生きてる間にどうこうしたほうがいいとか、後悔がどうとか言うわけではなく、ただただ考えさせられる。東京に逃げたかった筆者の心象風景はミレイのオフィーリアなのだろうけれどわたしはこの世で一番美しい水死人を思い出した。正しいことや当たり前だと思っていることは、いつ価値が入れ替わるかとてもあやうく、絶対的な境界線を持たない。そして起こっていることと平行して深刻なはずなのにどこかおかしみがあり現実感がない気がする。死とか離別が松田さんの手にかかるとどこかしらの可笑しみが生まれるのだ。この感覚がとても好き。作品の感想は、苦しい。でもそれだけではない。逃げ出したり投げ出したりしたい。でもしないかも。どうしようかな…どうにかなるか、なるようにしかならないか…。なんとかしようとするのではなくて。そこが許容されている懐の深い作者さんだとおもう。