レビュー一覧

基本苦手なオメガバースですが、この作品は良かったです。受けと攻めが学園ではライバル。けど実はライバルとして威嚇しているのは受けだけで攻めは別に学園での地位とか本当はどうでもいい、ただ受けにかまってほしいから一応好敵手のフリをしているだけ…みたいなのがたまらなーいです！さらには美しくて無防備な受けのためにずーっと裏で守り続けている、とか、最高に私のツボを押さえまくりのスパダリ攻め設定！せつないとか悲しいとかがなくずーっとスパダリ攻めが守ってくれてるのでよくあるオメガならではの悲惨さがなく安心して読めました。

こんなに素敵なオメガバースに久しぶりに出会えました。

オメガバースもパブリックスクールも大好物だけど、口調ばっかり格式高くてなんか軽い…という感じでした。二つのテーマにはもっとヘビーなものを求めてるのでちょっと残念です。

受けに一目惚れした策士な攻めが受けの気持ちを大事にしながら時間をかけて口説くお話。品が良いお話で、心情が溢れ出ていて、客観的に見れば、くすりと笑える部分も多く、楽しく読めました、

パブリックスクールでのオメガバースものということで、悲惨なことや辛いシーンがあったらイヤだなと思いながら読んでましたが、スパダリアルファが周到に守ってくれてました。オメガ受けがただ美しいだけではなく、有能で負けん気が強く、目的を達成するためには策を労することも厭わないタイプなのがグッド。イラストは相変わらず美しい！

パブリックスクールとオメガバース。オメガが凌辱される痛い場面がでてくるかと覚悟して読みましたが、危うい場面はあってもスパダリアルファ様がすかさず助けてくれて事なきを得ます。王道です。甘いです。安心してパブリックスクールの世界に浸れます。

面白かったです。どうしてもパブリックスクールが舞台でときくと真っ先に映画『モーリス』を思い浮かべてしまうのですが、あの映画当時にはないオメガバースという新しいエッセンスや、笠井先生の壮麗なイラストも加わり由葵とアシュレイ その周りの友人、フォグが活き活きと描かれていて素敵でした。要は 萌えたの一言、笑。由葵も色っぽくて良かったよー。

大好きなパブリックスクールが舞台。新入生の時から容姿と優秀さから注目を浴びる日本人の受けと、英国貴族家系の攻め。受けは細身の自分にコンプレックスを持ち、攻めをライバル視しているが攻めは出会いから受けを魂の番と確信し、受けが覚醒するのを待っていた。陰ながら手を回し、ずっと受けを守る攻めがカッコいい。ストーリーは、スクールのキングを目指した権力争いやバースの優劣をベーステーマにしているけれど、パブリックスクールならではの清廉な思考で解決されていて清々しい。受けが姫的な容姿に反して、男気があったり、色恋にちょっと鈍感だったりするのが魅力的。挿絵もとっても綺麗で堪能出来ました。

パブリックスクール エドモンド校のマンスフィール寮監督生 御井所由葵はベリオール寮監督生で生徒総代'キング'を競うアシュレイ・グリフィス・アークランドにコンプレックスを抱いている。早くにアルファに覚醒したアシュレイに対して、由葵はバースの覚醒がまだだった。互いの取り巻き達の諍いが絶えずキングから注意を受け、アシュレイと親友として振る舞う中、オメガに覚醒してしまう。オメガでは悲願のキングになれないと途方に暮れる由葵にアシュレイは自分と身体を繋げることと抑制剤でバース未覚醒と偽れると持ち掛けてきて..パブリックスクールにオメガバースを掛け合わせた作品です。両方好きな要素で、特にパブリックスクールには格別萌える性質なので高い期待度を抱いて読み始めましたが、期待を裏切らず面白かった！キングを競って攻をライバル視して攻にだけツンツンしちゃう受の性格、受を包み込む愛で影ながら守るナイトのようなスパダリ攻め様、受を気に食わず劣情を抱く悪者の登場、攻のいない時に秘密クラブに誘拐される受..言ってしまえば全部お決まりなやつなんだけど、それは決して悪いことだと思わないです。私は大好き。受の由葵は聡い子だけど、アシュレイの好意にはとても鈍感で、あんなに溺愛されちゃってるのにアシュレイとの関係を発情期をやり過ごす後腐れのない身体の関係だと誤解しちゃう。最後にはきっと全部誤解だったんだよこんなにも最初から愛してるんだよっていうターンが来るのは分かってたけどじれじれでした。体格では劣る西洋人の中でキングになってやる！と頑張る由葵がオメガであることをカミングアウトするシーン、不覚にもウルっときちゃいました。攻のアシュレイはどんなに由葵にすげなくされても大きな愛で包み込む人。由葵の発情フェロモンを抑えるために相手を申し出る時に愛を伝えなかったから由葵がもやもやしちゃうんだけど、あの時の由葵に運命の番だと告げても受け入れる素地がなかったろうから仕方ないよね。エピローグでの何年経っても由葵を愛する姿がよかったです。

パブリックスクールという響きと笠井さんのイラストで購入しましたが、パブリックスクールで有名な有名なあの作品とどうしても比べてしまうのと、最初の方から、おおよそのあらすじが読めてしまって、読み進める気力が失せて、途中で読むのをやめてしまいました。