レビュー一覧

ヒーロー父って性悪女に騙されたってことになってる感じだけど、本当にそうかなぁ？と思ってしまいます。なぜ息子であるヒーローに確認しなかったんだろうか？しかもヒロインが妊娠したって伝えて来てることを隠して手切れ金だけもらって消えたと、故意に情報を捏造してヒーローに伝えてるあたり、性悪女と同等にヒーロー父が諸悪の根源のような気がする。ウルっときたりニヤニヤしたりするより、イラっときた。

相変わらずHQを良いお話だわぁという気持ちにさせてくれる作品に仕上げてくれる作家さんです。作品の中ではヒロインの年齢しか出てこないけど(たぶん)、話から大学卒業間近なヒーローは22、23歳くらいで、16歳のティーンエイジャー相手に避妊もせず手を出してたんだよね。なんやねんって思ってたら後書きで作者さんも突っ込んでて、みんな同じ感想なのねーと笑えた。原作を読んでる方の感想を見る限り、コミックだから感動できるけど、原作読んだらイライラするんだろうなぁって。

１９９１年だって家政婦の娘だろうが屋敷の当主の息子だろうが身分違いなんて無くて恋愛は自由だったはず。中世の物語ではないのだから。とはいっても、それ以前の時代を生きてきた親世代にとっては大きな問題で、身分違いという壁は存在していたのだろう。けれども当時１６歳の少女に手を出したのは大問題だ。１年の留学が決まっていたのだから「待つ」ことは出来たわけです。本に書かれている通り「諸悪の根源」は当主の息子ジェイ。親が内々で認めている相手があることに気付いていない鈍感さが呆れます。１０年。言葉にすればたったそれだけだけれど、永い月日です。よく頑張ったレベッカには畏敬の念を感じえません。さすが荻丸先生の作品。面白かったです。

誤解からのすれ違いからの和解からの悪者成敗。流れるようなストーリーにまとめられていて読みやすかったです。感情を揺さぶられる書き方は萩丸先生は相変わらず上手いですね。お母さんとの和解が私は一番グッときました。

熱を出した子供の、血を吐くような心の叫びを聞いて、ヒーローはショックだったでしょう。まわりの人に騙されたとはいえ、結果的にヒロインと子供をを捨てることになってしまいました。10年も離れていて急に上手く行くわけはないのですが、ヒーローには子供のため、ヒロインのために頑張ってもらいたいです。それにしても、二人を陥れた女と、身重の16才の娘を捨てたヒロインの母親、ヒロインが許しても私が許しません！

もちろんオリヴィアが元凶なんだけれど、すべてが判明した後にヒロインもヒーローも彼女だけのせいにせず、当時相手を信じあえなかったことに思いを馳せて悔やんでいるところがよかった。子供も、父親に気持ちをぶちまけた後は素直になれたようだし・・。確かに10年は長いですが、その年月がなければ子供もそこまでのことは言えなかっただろうし父親の反省も浅かっただろうと思うと、よい時間だったのではと思います。素敵な作品でした。

16歳でシングルマザーとしてよく頑張ったと思う。本来なら味方になるはずの母親に見捨てられよくいい子に育ったよ。

復讐は炎のごとくに似てると思ったら、同じ作者さんでした。妨害するイヤな女がいて、彼とそっくりの息子がいて、。ああでも、それにしても失った10年はでかい。

安定の面白さです。子供の告白でﾋｰﾛｰが改めて事の重大さに気づく場面にぐっときました。

荻丸先生買いです。荻丸先生ならではの安定感！　話もまとまってて、話の途中途中でジーンとしました。ヒロインの強さもせつない感じも良いです。子どもちゃんの素直な感じもかわいい。すれ違いの原因もスッキリ解決したけど、年月がかかり過ぎなのと、当時ももうちょっとどうにかならなかったのかなと…。