レビュー一覧

孤高の公爵たちのシリーズです。前作のヒーローであるウォルフィンガム公爵もちらっと出演しています。ナポレオン戦争期の英国で、諜報活動に従事するヒーロー達の物語で、お話もそれに準じて陰謀ありアクションありの活劇の側面も持っているのが、通常のヒストリカルハーレとは違う所でしょうか。こちらのヒーローも、骨太な男っぽいキャラが尾方さんの作画で活きています。かつて公爵と婚約した直後に恋人とフランスへ駆け落ちしたヒロインが、重大な情報を握って密かに英国へ戻り、ヒーローに会う所から始まるお話で、どう見ても二重スパイにしか思えないヒロインを疑うヒーローと、過去の軽挙を猛省し、苦労も経たヒロインが、否定しながらも惹かれて行く過程をドラマティックに描いています。決して悪くはない設定なのですが、ヒロインの出奔から帰国までがたったの半年と言う所に非常な違和感を覚えます。現代のように交通手段も医療も発達していなかった時代に、生死を彷徨ったヒロインが奇跡的に回復し、改心して腹を括って、慣れない重労働に従事しながら元恋人に一矢報いんとするには、どうにも時間が足りないような気がしてなりません。これさえ無ければ、世間知らずの小娘だったヒロインが逞しく成長する面白いストーリーだと思えるのですが、半年という短さでなければ、ヒロインの対面を保つ為の誤魔化しが破綻してしまうだろう事と合わせて、酷くご都合主義に映ります。なので星は減点。更には作画上、前作の主人公二人と似過ぎている気がするのも残念ポイントです。いや、好きなんですけどね、尾方さんの黒髪ヒーロー。前作で仲間と会っているシーンにもここまで似ているキャラはいなかったし、もう少し変えてくれればなあ。と言う事で、少々辛めの採点になりました。あしからず。

この時代の女性達には選ぶ権利とかないから不憫だなー。親の言われるがままでしょ？逃げたくもなるよ。

シリーズの２作目ということで、即購入しましたが、前作にはこの方々ちょっとも出てないです。お話の内容がロマンスからは遠いので、ヒストリカルロマンスを期待すると肩すかしです。こういったお話に登場するヒーローは生真面目な性格、お堅いイメージですが、尾方先生が描かれると、まさにその通りで、ストーリーの人物像がすんなり入ってきます。読みやすかったです。

ヒロインが清楚で慎ましいいかにも清純な箱入り娘な感じなのに、大変な苦労の後にも毅然としてて逞しく働いて帰ってきて、駆け落ちのことも開き直らず好印象。ヒーローも普通にとてもいい人。自分の過ちを自己分析してちゃんと向き合えるとか、その辺の男と比べるとなんて出来た男なんだと思う。ただ残念なことに、さすがに最後もう少しラブラブなシーンがないと物足りないので星3つ。あれば4でした

尾形先生×リージェンシーの相性は抜群！ヒーローとヒロインの信じたい気持ちと信じられない状況が切なく、恋心を盛り上げます！最後が早足なのが残念〜。

時代背景とヒロインの過酷な境遇が、ロマンス要素を上回っているので、ヒストリカルロマンスを期待したら肩透かしを食らうお話ですが、ヒロインの成長が好ましく感じられた一作でした。いくら若さゆえの過ちで、自業自得の面もあるにせよ、あれは悪い方へ捻じ曲がってもおかしくないだろうに、よくぞ自力で立ち上がりました。そんなヒロインの成長に驚き、若干振り回されつつ惹かれていくヒーローが妙に可愛かった。尾方さんのヒストリカルは、ロマンス要素が薄くても画面が華やかで読んでいて楽しいです。

このお話はシリーズモノだったんですね！そうとは知らず知らずに、先にもう一つの方を読んでいました。試し読みして、アレ？シリーズなの？って感じで、無期限です。傲慢ヒーロー、嫌いじゃないです。逆に不器用な感じで。ヒロインも..ワガママ？から始まるストーリーでしたけど、そのおかげて...とても良かったです。

続きが気になって購入しました。華やかだった少女のようなヒロインが10ヶ月で幸薄い女性に変わってしまって、それだけ苦労したんでしょうけど、同じ人？と戸惑いました。

最後の盛り上がりシーンで、ふと、この人達パーティのバルコニーでこんなに騒いで・・・大丈夫か、と心配になりました。一番いいところなんですが、ちょっと我に返ってしまうほど、ふたりの盛り上がりがすごかったです。

不遜な侯爵シリーズです。今回もナポレオンとイギリスの間でおこる血なまぐさい戦いが出て来まして、諜報員であるヒーローも、浅はかな行動をとるヒロインも巻き込まれていきます。ヒロインにおこる事件、血の気が引くような出来事でしたがそれを乗り越え立ち向かっていく様はそこらの令嬢にはまねできないなと思いました。ヒーローはじつは心広く大局的にものごとを見られる大人な紳士。ヒロインのカタキを撃ちに敵国へ乗り込む勇気ある男性でした。ロマンスよりヒストリカルな印象の作品。