レビュー一覧

忘れ得ない好きな作品です。母親の言葉が、今も胸に刺さります。荒唐無稽でありながら、身近に感じてしまうのは、伊藤潤二先生の不思議なお力ゆえなのでしょう。

グロテスクな描写や救いのない結末ですが、伊藤潤二ならではの雰囲気でポップな印象もあります。もっと続きが読みたい作品でした。

確かに新興宗教は人の弱みに漬け込んで食い物にしますよね。そんな感じのお話しでした。

伊藤潤二シリーズ中では珍しい(？)西洋風な怖さがある作品。映画でサイレンと言うホラー作品がありましたが、あれを日本を舞台にしたらこんな感じなのかと思いますが、多分これは色々タブーで映像化は難しいと思われます。やばい…

映画でありそうな、恐ろしい話でした。主人公とヒロイン？は何とか無事で良かったのですが…。

作者さん買いです。あと気味悪い終わり方がいかにも伊藤潤二ワールドといった感じでした。

伊藤潤二さんの作品を初めて読みました。主人公の母が「若い人が村を出て行ったからこうなったんだよ」という一言に村の過疎化に対するメッセージのような物を感じた。このサイレンの音、実際どんなに不気味な音なのか、聞いてみたい気もしました。

伊藤潤二作品の長編では全体を巻き込む壮大なラストが度々ありますが、この作品では長編で行う違和感の連鎖から繋がる恐怖をたった1話で描写しています。かといってストーリーは破綻することなく最短距離で終末を迎える絶望感は圧巻です。特に母親の終盤の台詞に恐怖とは異なる哀愁と絶望を感じられて良いです。