レビュー一覧

クソ、ああクソ、なんでこんなすごい作品出会っちゃうんだろう。構図や画材を工夫したり、デッサン力をつけたり美術と七転八倒しながら、八虎は「俺は結局何を描きたいんだ？」という問いに戻る。好きなことが分からないから勉強していたのに「好きなことをしなさい」と言われたようなものだ。何を学んでも同じ問いに来る。川がみんな結局海に流れ込むみたいに。そしてそれを表現出来て人に伝わった時は、どれほどの突破感か。

美大を目指していく高校生の物語。劣等生からの一発逆転・・・という、少年誌にありがちなよくある主人公ではなく、勉強・対人関係全てにソツがなく、等身大の「実在の高校生」という感触がイイ。主人公の眼に映る、「凄い」「どうしよう」「わからない」「やってみよう」、様々な事象が、自分が追体験をしているかのように心に入ってくる。美大チャレンジへの道も、わかりやすく、面白い。絵がうまいひとは、ただ「魔法使い」のごとく、その才能に秀でているのだと思っていた。システマティックに解説されていく美術の世界は、これからも先が楽しみ。

めちゃくちゃたのしー。絵を描くのは、昔していたので、美大目指す人の話が読めて、ほんと嬉しいです。続き楽しみにしています。

絵が好きだけど自分の将来の仕事にするのは無理だろうなって思ってる子に読んでほしい情報選択肢、今知ってればなんにでもなれる…いい先生、環境に出会えた主人公、知ること好きなことに気付くことが出来てよかった自分もそうありたかった…

おっちゃんになってくると、勉強になる系の作品が読みたくなる。今の自分には無い視点、考え、概念が広がる楽しさが、このブルーピリオドからはもらえる。疲れ目をこすりながら全部一気に読んでしまった。漫画家さんも私から見れば、「絵描き」という職業だと思う。絵描きが、絵をどうやって描いていくのかを作品にするところも面白い。意外と、他の漫画家さんも見ながら勉強になっているかも笑作中、変人が多いけど、読んでいて疲れないのは、この作品の良さなのだと思う。ニコニコと鋭さの使い分けがステキなのが、大葉センセイ。福笑いのお多福みたいだけど、どことなく美人で魅力がある。そんな私も変人かもしれない。

あんまり面白くなかった。キャラがみんなやなやつ。

めっちゃいい…！おすすめ。芸術の世界は「感性」の一言でかたずけられることにもやもやしていました。感性も勿論大事だけど、それによって表現される世界にはちゃんと先人たちが積み上げてきた技術や理論があるし、それを通じて作り上げられた世界を鑑賞してきた数多の人々の目がある。芸術作品は作家の手によって作り上げられるものでその個性と感性がコアにあるけれど、同時に、数多の鑑賞者の存在も意識されるはずだ。それを繋ぐのが技術や理論だ。そのことがきちんと一巻から数巻に渡ってきちんと描かれていたのに感動し全巻購入。絵画や彫刻の芸術の世界だけでなくきっと音楽や演劇にもあてはまるような普遍的かつ重要なことがらをきちんと捉えて伝えようとする作者の粘り強さと根本的な理解を促す姿勢もいいと思った。絵をどうみればいいのかとかも分かりやすく、描くことに関しても作ることに関しても「門戸を大きく開く」漫画だと思う。あと作中で示された絵の特徴をもって作者のカラーページを見てみると「これがS字的な配置かな？」等鑑賞してる気持ちになる。空気を読みすぎ、自己肯定感の低い、そつなくやれてしまっていた八虎くんや他の人達がどうなっていくのか楽しみ。

やっぱり美術をしたかったと思う残業帰りの電車にグサグサくる漫画

人間の内面をしっかり書いてる作品前向きな人も多い

美術を易しく知るには面白い漫画です。高校生の美術系の学校を受験する頃に出逢いたかった作品です。展開スピードも良くて、一気に見てしまいました。「僕にしか出来ない事は何だろう？好きなことを好きと言って、続けることは自由だれど責任を伴うこと」と、今の自分に重ねながら目を通していました。素敵な作品でした。