レビュー一覧

完結を迎え、あまりに心を揺さぶられたので再レビューしています。ざっくり簡単に言うと、１巻は光の闇と兄弟二人の関係、２巻は英と春樹の関係、３巻は春樹の崩壊、４巻がそれぞれの関係の終わりと始まり。心理描写が本当に巧みで、どの人物の心理もよくわかるんですね。特に壊れた人間の表情が秀逸。そしてまさか４巻にわたりながら間延びせずこんなに心震わせる終わり方が待っているとは、まさに期待以上のことでした。もちろんただのハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、いわゆるメリバなどというのもちょっと違和感。依存だろうが執着だろうが、とにかく光の春樹に対する愛情は激しく深く一途で、他の人間には太刀打ちできなかったということなのでしょう。既に数度読み返しましたが、何度読んでも読後しばらく放心状態。この作者さんの作品の中で間違いなく一番好きです。

なんだ…これ…すごいおもしろいです…！私は萌えやいやらしさをこの話から全然感じませんでした。でも本当に面白いんです。これってレイプ被害者の心理を丹念に描いている話です。「残酷な神が支配する」を思い出しました。重い。でも恋愛話じゃない前提で多くの人によんでもらいたいです。肉体関係から入って恋愛感情が生まれる話、BLにはよくありますが、現実はすさまじい恐怖が日常を蝕むと思うんです。義弟への恐怖、嫌悪、自分への嫌悪、しかも男なのにレイプされるなんてって思ってさらに行き場を失くす、誰にも言えない。吐く。被害者の気持ちが短いモノローグとかコマで端的に、でもすごいリアルに描かれていて、ぐわっと話に引き込まれました。他の昔の作品を読んで、セリフとか独特の間の取り方にセンスのある作家さんだなあと思っていましたが、本作は描画もとてもいいです。義弟の狂気の眼、描こうとしてもなかなか描けないですよ…。まだ完結してないのでとりあえずの星4です。

世界を憎んでる美少年義弟×お人よし流され義兄。義弟は義兄の人の良さに付け込んで無理矢理肉体関係を結ぶんですが、結んだ以降から執着心が加速します。兄が脅えてることには見ないフリで一人勝手に恋人気取り。無垢で幼いその気持ち悪さが怖くて緊張感が途切れません。ずっと素晴らしいヒリヒリ感を覚えながらページめくってました。弟の行動は突飛ですが、高校生ならあり得ると思える、リアリティある範囲でとても引き込まれる。失う物のない若さが凶器になっていて、何をしでかすか分らない。義兄からしたらホラーな存在だと思う。先輩と主人公は2巻で恋人関係になります。ここまでは想定範囲の展開ですが、この後が意外。主人公は「とある男(弟とは言わず)に脅迫されて肉体関係にある」と遂に先輩へ告白し、事態は好転するかと思いきや…。先輩は主人公に恋し過ぎてしまったんですね。彼を思いやる気持ちより嫉妬心や支配欲でいっぱいいっぱいになってしまい、主人公を突き放してしまうんです。そんな気になるところで終わってる2巻…！3巻楽しみ過ぎ。。

ごめんなさい。ここで買ってないけど、あまりにも凄かったので一筆入れずにはいられなかったので。☆５じゃ足りないくらい、カシオさんのイメージが変わった。イチ押し。面白くて一気に読んだ。愛が無関心に変わる迄に必ず訪れるこの感情。この状態。一番辛いのは誰なのか？続きが気になって気になって気になって仕方無い。いつの間に感情の迸る眼と、どろっどろのヘドロの様な恋情の裏側の、嫌な部分も魅せる、こんな絵と話を描く作家さんになっていたのか。吃驚した。すっかりカシオさんにハマった。

今年1番のすごい作品かと思います。グイグイ引き込まれました。狂っていく歯車、今後の3人が気になります。

やっぱりカシオさん素晴らしいですね。物語が進むにつれて哀れさが増す主人公に感情移入して、心が苦しくなってしまいます。。義弟がアレなこともあって途中若干ホラーのような印象も受けますが、それも大変宜しいと思います。笑

内容が暗くて怖かったです。好きになれませんでした。

ごめんなさい・・・待ちきれなくって書店で完結まで購入してしまいました。内容・・・・不安定な心理描写が絵柄の不安定さ・デッサンの乱れによく合っていました。繰り返し10回くらい読んでしまいました。身体の関係からすぐになし崩しに恋愛に発展してしまうストーリーが多い中、登場人物の悩み・苦しさが表情にも出ていて‥感情移入してしまいました。 ただ時系列の問題や世の中の一般常識というか・・・編集さんは指摘してくれないんでしょうか？ 一周忌は翌年、３回忌の法要は２年目に行うんですよ・・カシオさん　　そして　繰り返し読んでいて「ん？？」となったのが「出ていく」「探す」「倒れる」「電話」？？・「Oさん」が倒れた時間のすり合わせがズレている気がするのですが？（投稿名：グレアム＆アンジ―）

こちらでは買ってません。完結の４巻まで、書籍で読みました。素晴らしい、の一言。4冊で、まるで2～3時間の映画を観終えた後の充足感。作者さんは、この物語の構想をかなり緻密に練った事でしょう。読み終わった後に、余韻までしっかり漂う漫画って、そう多くないので。ストーリー上、明るくはないですが、無理に話を終わらせなかった事、ご都合主義の結末で終わらせていない事、光と闇が背中合わせに存在する事が描かれている事ーとても勇気のある作者さんだと思います。４巻を読み終えた後、また1巻から読み返したくなり、もう一巡しました。多くの方に読んで頂きたい、私の中のNo.1の本です。

弟光の義理兄春樹への執着が恐いです。春樹君はバカなんじゃないのって思うくらいどんどん追い詰められて行きます。光も賢い割にはやっぱり子供で好き好き過ぎて、相手を壊してしまうまでやってしまって、ラストハピエンと作者は言うけど、あのラストには読者は二つに割れると思う。あと、ずっと編集サイドが昼メロ路線で売っていたのはお手軽すぎて違うと思う。カシオの代表作に成るだろう今作で、作家としては、確実なステイタスを得たと思います。