レビュー一覧

それぞれの母親の行いに対して理解を示すヒロインの優しさと、子どもの素直な行動がとても良かったです！

さちみりほ先生の作者買いです。よくあるシークレットベビーネタですが、さちみ先生の魔法でとても素敵なお話しに仕上がっていました。

トキメキボタンがあったら連打している。ヒロインも格好いいけど、ヒーローも素敵だ！　そしてなにより、息子が最高・・・！　こんなかわいい子いたら、誰にも渡したくないし一番好きだって言い続けるじゃろう・・・そんな息子の親は、やっぱり素敵でした。裏切られてボロボロになりながらも、真っ直ぐな気持ちを失くさなかったふたり。最後の父親の告白。息子の告白。母親の告白。それがまざって素敵な結末を迎えてます。

何だか一番気の毒だったのは、本当のお父さんだった気がします。たぶん何も悪くないのに話を合わせて最後まで名乗らなかった。ステラとの関係など、想像するといろいろ妄想が広がってちょっとせつないです。

面白くないわけじゃない…けど、強いて言うなら 盛り上がることなくフィナーレって感じでした。う～ん 残念。

互いが互いを捨てたと誤解したまま別れ、再会後に息子の存在を知ったヒーローと最終的には復縁するヒロイン。ハーレクインらしいお話で、さちみりほ先生の持ち味が活かされている作品だと思います。【ネタバレ】★ヒロイン→母親は地元の名士と結婚しヒロインを産むが亡くなり、直後母親の姉（ステラ）がヒロインを連れて家出、ヒロインの父親が後を追いかけて、結局ステラと再婚。なのでステラの夫アーノルドはヒロインの実父です。ステラはヒロインを連れだすことによって夫を手に入れようとし、またヒロインの母親や親族を悪者にして記憶を書き換えることによって自分を守ってきた。この話は英国を訪れた際に村人たちから教えてもらっていた。★ヒーロー→母親はヒーローの前ではみんな仲良し、を演じていた。ヒーローが所用でロンドンに行っている間に「息子はもう帰ってこない。子爵令嬢との結婚が決まった。あなたと別れたいと言っていた」と嘘をつき、ヒロインを追い出す。帰宅したヒーローには「私には彼女を引き留めることができなかった」と言って自分が書いたヒロインからの偽の手紙を渡し、ヒーローを留まらせた。尚、ヒーローがヒロインと再会した時にはヒーローの母親は既に亡くなっている。★全体的なネタバレ→船上で迫るヒーロー。拒否られるが諦められない…ので後日ヒロイン宅を訪ねる。玄関先で息子に対面し、すぐに自分の子供だと気づく。ヒロインはステラからの電話で、息子の存在が知られてしまったことを聞く。ステラは子供の父親のことは知らなかったので驚く。部屋の外で二人の電話を息子が聞いていた。その後ヒロインはヒーローのオフィスで話し合い、互いの誤解が解ける。ヒロインが妊娠のことをヒーローに連絡しなかったのは、ヒーローが幸せな結婚をしているとばかり思っていたからで、嫌がらせの為ではなかった。再びヒーローは寄りを戻そうとするが拒絶される。翌日登校した息子は土壇場でヒーローの滞在しているホテルに向かい、ヤケ酒して二日酔いだったヒーローと会う。ヒーローは喜んで部屋に連れて行き、ヒロインに連絡。息子はヒーローが自分の父親であることを知るとずっと連絡をくれなかったことを責める。ヒーローが謝り、ヒロインと息子が大事だと伝えているところにヒロインが到着、三人で和解。その後二人は英国で結婚式を挙げ、三人はオーストラリアで、ステラはラドクリフ館で暮らしめでたしめでたし。

涙がでました。薔薇がポイントのお話なのですが、この作家さんの薔薇が緻密で、カラーでもないのに薔薇の色が見えるようなきれいさです。恋愛ものというよりかは、ファミリー愛です。

ヒーローとヒロインのすれ違った原因とかはハーレクインの王道な感じなんですが、最後の息子と父親の会話のところが、父親に感情移入出来てすごく好きな場面でした。この作家さんの描く作品は、ヒーローがヒロインにメロメロで弱いところがよく表現されていて、この作品もそんなところが私にはツボです。

原作既読です。養母の秘密にショックを受けたことは覚えていますが、あとはさほど印象に残らない、まあありきたりのシークレットベビー物と感じた記憶があります。ですが、さちみ先生はやっぱり凄い！素直に泣ける、読後感の爽かないいお話に仕上げてくださいました。ヒロインもヒーローも、そして１番の魅力ジュールズも、原作よりもずっと素敵に描かれていました。養母すら、ちゃんと許されてしまっているし。こちらを先に原作を読むと、きっとがっかりするでしょうね。さちみマジックです！

さちみ先生好きなんですが、この作品はさらさら～っと話が進み、呆気なく終わってしまいました...。キャラの表情やシーンなど印象に残る部分はあるものの、読後物足りなく感じました。養母など脇キャラの描写にページが取られてしまったせいなのかな？残念です...。