レビュー一覧

仄暗い設定&テーマが重くなり過ぎず、安心感を憶えた読後感。ヒーローのキャラの爽快さと、儚げだけど芯は強いヒロインの心の成長が印象深いけど、ヒロインの兄エルコレとその腹心である女騎士リヴィアの心の闇が、この物語の根幹だったのかな。艶事の場面も多いし長いけど、鬱陶しいとは感じず、丁寧に書かれてるなぁと思いました。人形姫と呼ばれる美しき公女レターナを、政略結婚で娶り溺愛する傭兵公アレッジオ。レターナの本心に気付いた時の彼の心情が(それ迄がちょっとだけ切なかったので)微笑ましかったです。その生い立ちの中で”心”を失い、今は”冷酷公”と呼ばれるエルコレの度重なる残酷な仕打ちにより、感情を捨てたレターナは、兄の精神的支配からなかなか逃れられません。でも、人質の筈の自分に愛を囁き、閉していた心と身体を溶き解し慈しむ夫と過ごす日々に、次第に”感情”を取戻していきます。トラウマから解放された事で兄を理解、自らの幸せに前向きになれます。政略結婚だけど、実はお互い一目惚的な出逢いにもキュンとします。ヒロインの心を救い、結果的に繋がる者を救済したヒーローの行動は、ヒロインへの深い愛情故…デスネ。

心を閉ざしたヒロインと、そんな彼女を愛し、人間らしい感情を取り戻させようとする誠実なヒーローのお話でした。ヒロインがゆっくりではあるけれど、ヒーローに心を開いていく過程がよかったです。ただ、もうちょっとヒロイン兄のヒロインへの執着の心情が表現されていたら、私としてはゾクゾクしてなおよかったです。妹を敵地に乗り込み奪いかえそうとするくらいの執着と依存があるのであれば、全体的にちょっとあっさり書きすぎていたのではないかと思います。最後のヒーロー兄の去就も駆け足で残念でした。

歪んだ愛です。ヒーローとヒロインの……ではなくヒロイン兄の愛のカタチ全般……終盤は駆け足だったので、もう少し掘り下げた部分も読みたかったですが、歪みの要因もしっかり分かりましたし、理解し合えたあたりハッピーエンドで良かったです。仄暗い雰囲気のストーリーではありましたが、いつも優しく、飄々としていて尚且つ頼り甲斐のあるヒーローにより、さほど暗さは感じません。主要人物が無駄に死なないところも良い意味でソワソワしないし、私としては楽しめました。

イタリアのあの兄妹がモデルかな？と読み始めました。ヒロイン気の毒だけど、兄の幼馴染の女剣士が可哀想過ぎて。どれほど兄が辛かったとしても、もっと兄は反省すべき。所業が酷すぎる。

騎士リヴィアの心が哀しくも迫ってきます。愛するエルリコの為に何でもするし、命も投げ出すリヴィアが愛おしいです。ヒロインは、人形でもなくただ装っているだけなので、かなり前半で普通の姫になります。ヒーローは挿絵よりかなり歳上の大人の男です。どこと言う訳では無いのですが、私には設定より10歳位上に思えました。なんか、老けてる？感じ。冷酷な兄とリヴィエのストーリーが泣けます。ヒロインヒーローを喰ってしまった脇役ですね〜。あくまで、私の感想ですが。

人形姫と呼ばれていたヒロインが、心を取り戻してヒーローと愛し合っていく過程は良かったです、が、最後あんなに悪かったお兄様があっさり改心してて驚きました。許されるの？と。

ヒロイン兄に引いてしまったけど、ヒーローがよかった。

人形のようなヒロインが、ヒーローのおかげで人間らしくなっていくのがよかったです。ヒーローも強くてかっこよかったです。お兄さんが、幸せになれるといいな。

なかなか深い話でした。実際政略結婚とかリアルに書いてたり、かと思えばヒーローが太っ腹で心が広いし。ヒーローの心の広さと愛の深さに星４つ

傭兵公とあるけれど、力だけでなく頭脳派のヒーローでした。ヒロインを思い行動する姿は、正統派です。アンチヒーローのお兄さんとの対決はどうなるかと思いましたが、丸く収まってよかった。ヒロインの人形姫からの脱却も、立派でした。ラブ成分だけでなくストーリー展開も楽しめた一冊でした(^^)