レビュー一覧

中世欧州風の架空の国が舞台の重厚英雄譚BL。まさに読みたい物語がここにあった。全三巻で伏線回収して完結させたのも見事ですしBL要素は薄めながらも全体的に見れば本作は間違いなくBL小説だといえると思います。こういった良質なエンターテインメントとBLの融合のような海外作品をどんどん翻訳してほしいです。

始めての作家さんでしたが、ここまで長編とは思いませんでした。プロットが素晴らしく作戦好きというか頭の良い作者さんに感服します。２国の王子達のリベンジが最終目的になるのですが、陰謀だらけ、とにかく罠、罠、罠と罠尽くしに途中ヘコミそうになりました。陰謀や隠匿の為に沢山の人が亡くなる中、唯一主人公のひとりであるデイメンが真っ直ぐに育てられててコチラ側→読者よりの考え方で、ある意味清涼感をもたらしてくれました。悪者の証拠を持ち合わせた者たちが最後の大捕物でスカッとさせてくれました。

3巻全て読みました。結構読んでて頭を使うというか、なぜそういう行動をとったかがはっきりと書かれてなくて、でも少し考えればだいたいわかる、みたいな書き方が多いです。先が気になって一気に読んでしまいましたが、とにかくローレントがなかなかデレなくて、もっと甘甘でもよかったのよ？ということで星4です。