レビュー一覧

津雲先生の作品、しばらくぶりに見ました。映画化されても不思議ないものばかりで感激してしまいます。

自分的には2話目のお話が一番印象が強くて津雲先生らしい作品だなぁと思いました。

妾のお話なのでハッピーエンドじゃないのは分かっているのですが、続きが気になり借りてしまいました。1ﾁｹならまぁこんなものかと。

妻妾同居の話は胸糞悪いと知っていながらも、1チケットという安さと、絵の綺麗さに惹かれてお借りしてしまいました。最初のお話、妾に囲われなければ苦界に沈んでいた訳で、どちらにしても幸せとは言い難いのが辛いです。若様はひょっとして初恋の人だったのかも知れず、子供を奪われるまでは、せめて少しでも幸せだったと信じたいですね。最後のオチ、今度こそは幸せに…の暗示なら良いのですが、また繰り返すのかも知れないと思うと鬱エンドです。次の話も、一方通行の噛み合わない想いが切ないお話でしたが、それよりも何よりも、娘を返して寄越す男の身勝手さがもう駄目でした。あれがなければ、彼の一途な悲恋と解釈する事もまぁ出来たのになあ。娘はこれから辛く当たられるのでしょうか。子供が不幸になる話は嫌いなので、どうせなら自分は本妻の子だと開き直ってしまえとも思いますが、さて。この二作は日本が舞台で、端正な絵柄と相まって、旧家の趣のある建物や生活道具を見ているのが楽しかったです。最後のオペラの話は、何か捻りがあるのかと思ったらそのまんまでしたね。ちょっと拍子抜け。1チケットでしたので、まずまず満足です。

母の愛を感じた切ないストーリーでした。他の短編も私は好きです。絵も綺麗で読みやすいです。

大好きな津雲むつみさんの読切。やはり長編を得意とする方なので、短編は少し物足りなく感じます。

緋の婚礼を読んでから、こちらの本も直ぐに読破。ストーリーテラーな作家さんなので、さすが面白いです。どれもドラマや映画になりそうなお話。日本のお話が、少し古い絵にシックリ来る気がしますが、オペラ道化師を元に作られたストーリーもなかなか良かったです。

同時収録されている秋の月の影を読みたくてレンタルしました。良い作品は年月を経ても色褪せないと感じました。

とても凄い内容のものを読まさせていただきました。心に秘めておきます。これからもよい作品を期待しています。

秋の月の影は子ども世代でも物語ができそうなので、続きがなくて残念です。