レビュー一覧

何度読んでも新鮮なのは、人の感情がきちんと描かれているからでしょう。

画力と共に鋭い人間考察に圧倒されました。特に一話目は「おろち」一連の中、結末が見え隠れしながらも、うっすらと希望が残る終わり方だったので救われたような気持ちになりました。まことちゃんのようなギャグも魅力ですが、人生の不条理や人の心に潜む闇と向き合わせられるような楳図先生の漫画は最高です。

子供のころに読んで、最後がどうなったかをすっかり忘れていて、どこかに売っていないかとずっと探していた作品にやっと巡り合えました。人間の複雑な感情を表している、楳図先生は天才です。時代は変わっても、このような思いをしている人がいると思います。正義や正直、素直が良いか悪いか考えさせられます。

連載中リアルタイムで読んだことがあるのですが、当時はまだ子供で意味がわかりませんでした。今なら理解できるかと試しに一巻のみレンタルしてみましたが…。不思議な能力を持った主人公が、これから不幸に陥りそうな人を助ける？(あるいは見守る？)つもりがかえって余計なことして陥れているようにしか解釈できない(苦笑)後味悪い結末ばかりなので、全巻読む気にはなれなかったです。自分的には楳図さんはギャグの方が好きかも…。

子供の時に読んで以来、30数年ぶりにレンタで読み返すことにしました。大人になって読むとまた違う感想をもてますね。凄く深い漫画です。人間の泥々した心の醜さを大胆に描いていますね。おろちは、大人向け漫画だと思います。楳図先生は本当に凄く偉大な漫画家です。他の作品も好きですが、おろちは特に好きです。お勧めします。

懐かしくて思わずレンタルしました。謎の美少女オロチ善なのか悪なのか…その不思議な立ち位置が魅力です。

秀才立花親子の確執に巻き込まれた同級生は？勉強をヒステリックに押し付ける母娘首の目立つ傷跡、相手に気味悪がられる。勉強は出来たが社交性が育たずガリ勉と同級生に敬遠される。新聞の縮小版で出生を知った彼は、勉強に打ち込む中学の時に、成績トップの同級生に泥棒の濡れ衣を着せてトップから蹴落とす優がトップに躍り出る。陥れられた同級生は、転校。高校に進学した優は誰もが寄せ付けない人間になる最後は色々あって途中経過は省くが。憎しみあっても親子？おろちの言葉がわからない、紆余曲折を超えた立花一家はそれでも良いけど。彼等の確執に巻き込まれた同級生は？信頼出来る人に巡り会えて立ち直ってればよいが。「血」理沙の不幸は御大層な家に生まれた事優秀すぎるきょうだいがいた事だ。周りに恵まれ無かった事も。姉も平凡なら年老いた2人。姉一草は心臓の移植を受ければ助かると聞いた時、養女を死なせてその心臓をと考える神の様な人格だった彼女が。定められた命と覚悟を決めてた彼女は心臓移植で助かると思った途端その理性を狂わせた。理沙が主治医に頼み慰めの嘘を言わせた。聖女の様な一草は口汚く喚きながら死んだ。理沙の思惑通りになった。一草も大きくなってた中学辺りから母娘や先生使用人達に意見すべきだった。私と理沙を比較しないでと。おろちは「何が悪かったのか。でもこんな悲惨な事はもう二度起きないだろう」と言う。子供をきょうだい他人と比較してはいけない。子供を比べる事は子供の可能性潰してしまうと世の中が、門前家の一草理沙のケースをしっかり認識すればね。

名前は知っている名作なので借りてみました。この本から借りたので、おろちが何者なのかよくわからず、ちょっと？？？的な感じでしたが、面白かったです。子供の頃はこの絵に恐怖しました。

感想のオプションに「シュール」ってあるけど、まさにシュールな漫画だと思う。暗い画面、登場人物の表情が恐怖を煽り立て、徹底して人間の心の闇を描いている。どなたかもすでにレビューに書いているように万能感のあるおろちも意外と頭の悪い失敗してるんだなーと今更に気が付いて唖然としてます。

おどろおどろしい作品が多い印象の大御所ホラー漫画家さんですが、この作品では過激な描写が少し抑えめになっているかも？　ビジュアルより人の心の恐ろしさを描いた作品です。