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萩尾望都さんのを久しぶりに読み、望都節を堪能しました。濃いですね〜内容が。悲惨な話ですが、人の行動原理とか哲学的普遍的な部分も結構あるので、たじろがずに読むことをお薦めしたいです。色んな愛の形が出てきます。主人公の心を壊してしまう義父による暴力的かつ支配的な変質愛、母子家庭の半ば恋人のような共依存愛、主人公を愛するようになる義理兄の献身愛、グループカウンセリングで出会う双子の“白痴”愛などなど。義父と、母の死後判明した“裏切り行為”によって“愛”そのものを信じられなくなってしまう主人公が、義兄ともども義父の亡霊に悩まされ七転八倒しながらも、その後出会う人々の様々な愛の形に影響を受けつつ、僅かながら光明が差してくるところで終わります。主人公による犯行とそれを追いかける義理兄、保険外交員のサスペンス的な緊張感から、主人公の救済に変換していくも流れ素晴らしいです。
萩尾望都がただのやおいを描くわけがないと、構えて読んでみたわけですが。ご本人の親との葛藤も有名だったことを思い出しました。大変な傑作です。イアンがグレッグに似たものの言い方や表情をする場面が吐き気を催す怖さでした。
簡単にいうならば「複雑乖離な人の心」な一冊。少女漫画が好きな人はまず無理です。かといってノンフィクションを好む人には物足りない。暗い話に影響されやすい人も駄目かと。これは「複雑な心理学を分かりやすく漫画にしたもの」と見れば興味深い。ミニシネマなどが好きな人はに面白いかもしれません。ちょと内容がしつこすぎるかな?という部分もありますが、そこはオーバーな表現と絵で上手く調和されてます。とにかく、勧善懲悪でもなければスッキリしたハッピーエンドでもないけど人の心ってこんなものかもね、という話。「あやふや」を許せる方は読んでみてください。
感想がスパッとうまく表せない、ダークで…切なくて…深い作品でした。 約1週間かけて全巻を読んだのですが、この期間、とくに中盤までは、不快なドロドロにとらわれた感覚があり、正直、読むのが苦しかった… 心理学でいうところの“精神的巻き込まれ”ってヤツでしょうか…? 救いを期待して次の巻を読んでしまう という感じ。 人間の醜さ・弱さ・恐ろしさ、悲しみや切なさが胸にのしかかり、とってもヘビーな内容ではあったけれど、読み進むにつれ、“人”の温かさや優しさ、信頼しあえる“仲間”の大切さや 自分自身や現実世界と向き合うことの重要性…などについても感じることができました。私は、全巻を読んでよかったと思っています。 ただ、酸いも甘いもかみわけた(笑)大人でないと読めない、思春期の子なんかが読むべきではない、と思うなー。
面白かったです。愛とは何か、欲望か、暴力か、幸福か。親から受けた傷、自分の犯した罪に苦しむ主人公と救いの手を差し伸べるも主人公の闇に巻き込まれる義兄の物語です。もともとやおいが好きなんですが、これはファンタジー要素の強いご都合主義のやおいと違って、すごく重いです。それゆえに、主人公や義兄のモノローグ一つ一つを何度も読み返したくなります。それでいて、ジェルミの精神的な危うさが放っとけなくて、友情と恋のギリギリの境界でつきあうウィリアムには、現代のやおいに通じるものがあります。原型というか。やおい好きの人がドキドキする設定。写真を見ながらベッドで義兄とキスするシーンは、最初の無垢で元気な主人公からは想像もつかない色っぽさでした。テーマが重く、悲しい話ですが、ファンタジーになる前のやおいの原型を読んだ充足感があります。
電子書籍のない頃、友人に全巻セットで誕生日のプレゼントに欲しいと言われ、びっくりした作品。ヘビーな内容と巻数の長さで、読手側の精神状態もそれなりに準備が必要。しんどい時に読んではいけません。主人公が性的虐待のトラウマから簡単に解放されるはずもなく、救おうとする義兄と幾度となく空回りするあたりは、精神分析などに興味がある方には面白いのかな。後半、様々な形の親子関係・兄弟関係が出てきて模索がされ、明るい方向に向かおうとするのが救いですがそれまでが長い。コレを雑誌連載で追いかけた人はすごいなあと思います。もちろん途中で放り投げず完成まで約10年描ききった作者に拍手。
萩尾先生なので絵や構図は綺麗。義父から性的虐待を受けた主人公がその後の人生を狂わせる話です。読後の後味はとても悪いです。最後まで救いがないというか、主人公も周りの人々も囚われたまま終わったという印象。
ずっと昔タイトルを目にして気になりつつも長編作品なので手を出して無かった作品でしたが3巻まで無料につられて読み始め、7巻まで行ったとこで挫折しました。いかにも萩尾作品といった感じで、一昔前の文学的な作品が好きな人ははまるのだと思います。モーリスとか風と樹の詩とかそんな世界が好きな人だったら。正直途中までは面白かったです。愛する母親の幸せのために義理の父に壊され続けていく。間違って義理の父と一緒に殺してしまった母親は実は自分が義理の父にされてることを知っていたことを知りますますおかしくなっていく。いろんな人を巻き込んで結局彼は救われたのか、最後10巻だけ買いましたが全くわからず。気になるなら無料で途中まで読んで5巻位でやめとくのが正解かもしれません。
20歳の頃読みました。とても衝撃的で忘れられない作品になりました。萩尾望都先生の作品は初めてだったんですが、BLのまとめとして取り上げられていましたが、これはBLじゃありません!笑萩尾望都先生にしか描けないと思います。漫画と思えないくらい読み応えがあります。
萩尾先生の前期の作品では「スターレッド」と「11人いる」がダントツに好きですが、後期ではこの作品が一番好きです。どうしても始めの頃の残虐的な内容ばかりが取り上げられがちですが、自分的には2人の心理的な絡みが増える後半の流れがすごく好きで、ジェルミに対するイアンの気持ちやニ人の会話の絶妙なやり取りなど、胸を熱くしながら何度もくり返し読みました。また、イアンの容貌や父性的な部分にもとても魅力を感じました。
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萩尾望都さんのを久しぶりに読み、望都節を堪能しました。濃いですね〜内容が。悲惨な話ですが、人の行動原理とか哲学的普遍的な部分も結構あるので、たじろがずに読むことをお薦めしたいです。色んな愛の形が出てきます。主人公の心を壊してしまう義父による暴力的かつ支配的な変質愛、母子家庭の半ば恋人のような共依存愛、主人公を愛するようになる義理兄の献身愛、グループカウンセリングで出会う双子の“白痴”愛などなど。義父と、母の死後判明した“裏切り行為”によって“愛”そのものを信じられなくなってしまう主人公が、義兄ともども義父の亡霊に悩まされ七転八倒しながらも、その後出会う人々の様々な愛の形に影響を受けつつ、僅かながら光明が差してくるところで終わります。主人公による犯行とそれを追いかける義理兄、保険外交員のサスペンス的な緊張感から、主人公の救済に変換していくも流れ素晴らしいです。