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「日本の昔ばなし」 単行本 第十二巻 天狗の隠れみの編【フルカラー】

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内容紹介
厚生労働省児童福祉文化賞受賞作品【フルカラー411ページ5作品収録】

『天狗の隠れみの』
天狗の蓑を着ると、体が見えなくなることを知ったいたずら小僧。竹筒を、千里眼だと偽って、交換に天狗の隠れみのを手に入れてしまう。着れば、体は誰からも見えなくなる。これでいたずらのし放題。さんざん人を困らせてるうちに、とうとう化け物が出ると評判に。ところが、蓑をおっ母さんが燃やしてしまう、仕方なく、残った灰を体に塗ってみると……。

『三つの斧』
一人のきこりが木を伐っていると、手を滑らせて、愛用の斧を池に落としてしまった。すると、池の面が光り、水神があらわれる。水神は、金の斧や銀の斧を示し、「これか?」と尋ねる。正直なきころは「それではありません」と答える。すると水神は、きこりの正直を誉め、愛用の斧と一緒に金と銀の斧も与えてくれる。それを聞いた、別のきこりが翌日出かけると……。

『小石の手紙』
若くて仲のよい夫婦がいた。喧嘩するほど仲が良い。一つの言葉で喧嘩して、意地張り合って、どうにも引っ込みがつかなくなった。とうとう女房は実家へ帰る。離れてみれば、やっぱり相手が恋しい。もともと仲がいいのだから。けれど、その気持ちが伝えられない。二人は読み書きができなかった。そこで、女房は亭主に小石を入れた袋を送った。それは恋しい亭主への思いを込めた文字のない手紙だった。

『屁ひり嫁』
屁ひり娘が嫁に行くことになった。母から消して屁をひるなと言われていたので、毎日我慢がまん。ところがその内、すっかり顔が青くなってしまった。心配した姑が訳を聞くと、屁がしたいと言う。なんだそんなこととさせてみた。ところが、舅も姑も庭に吹き飛ばされるほどのすごい屁。これでは家においておけぬと、追い出されてしまうが……屁のおかげで娘が救われるお話。

『幽霊の歌よみ』
借家に幽霊が出ると聞いた大家は、人が寄りつかなくなっては困ると、恐る恐る幽霊の正体を確かめに行く。幽霊は毎夜現れては、囲炉裏端で途中まで歌を詠んでは、言葉を詰まらせて泣き出した。わけを訪ねると、上の句を思いついたところで寿命が尽き、下の句を思いつくまで成仏できないようだ。そこで、大家は嫌がる歌詠み好きのご隠居を連れ込み、下の句を考えてもらおうとする。

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