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季節はずれの岬のまちで
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高校生の頃、私は父親の仕事の関係で、岬の突端にある小さな港町に住んでいた。当時、付き合っていた「いっちゃん」は圧倒的な存在感を内側から放っていて、いつも皆の注目の的だった。夏が終わると次のシーズンまで店を閉めて無人になる土産物屋、その中に鍵の壊れている小屋があり、私たちはよくそこに忍び込んでは求めあった。私達はお互いの体を狂おしく求め合い、湧き上がる膨大なエネルギーを持て余したまま、覚えたての甘ったるい快楽に溺れた。しかし、快楽の果てには残酷な現実が待ち構えていたのだ。妊娠、堕胎、そしていっちゃんとの悲しい別れが待っていた。でも、今になって思うのは、いっちゃんを、そしてあの岬で過ごした日々を心から愛していたのだということを。
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