人形たちのグロッタ
お嬢様の形代緋色は文字通り「人形のような」美少女だった。幼き頃より母親から「お人形さん」として扱われたことで、いつしか自分でもそう振る舞うようになり、高一となった今では周囲からほとんど敬遠される存在となっていた。
そんな緋色のクラスにある日、驚くべき転校生がやってくる。名前は「フランソワ・瑠璃・ベルメール」。フランス人とのハーフらしいその少女は、緋色以上に「人形のような」完璧な美をそなえていた。しかも彼女には隣のクラスに編入された双子の兄がおり、すでに多くの女生徒たちを虜にしているとのことだった。
普段から人形の美に憧れ、人形のふりをしてきた緋色。もしかしたら彼らは自分の同類なのかもしれない。そう思っていた矢先、近づいてきた瑠璃が驚愕の言葉を口にする。「あなたは本当は私たちと同じ人形でしょう?」。
しかも、彼女の父親は球体人形作家であり、自分たち双子はその手によって生み出されたのだという。瑠璃に気に入られその家に招待された緋色は、そこで世にもおぞましい秘密を知ることになるのだが……。
美しい人形に憧れた少女が足を踏み入れた狂気の世界とは……? 鬼才・梅津裕一が生と死、美と狂気の境界線を鮮烈に書く!
(※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています)
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