
不幸論
「幸せになろうね」「私はほんとうに幸せ者です」……。世に蔓延する「幸福でありたい症候群」。だがその幸福感は、他人の不幸や「死」の存在を「知らないこと」「見ないこと」で支えられている。本書では、古今東西溢れる「幸福論」とその信者たちの自己欺瞞を鋭く指摘。さらに「他人(自分)を傷つけないために真実より嘘を語ること」を優先する特殊日本的幸福論者の傲慢さ、怠惰さを赤裸々にする。著者は、長年の哲学的考察の果てに――どんな人生も不幸である――という結論に辿りつく。この恐ろしく理不尽な「真実」をトコトン見すえて不幸に留まってはどうか。そのほうが「よく生きる」ことができるのではないか、と提案。
<目次>
第1章・幸福のための条件
第2章・さまざまな幸福論
第3章・幸福がもたらす害悪
第4章・相対的不幸の諸相
第5章・「死」という絶対的不幸
第6章・自分自身の不幸を生きる著者の人生哲学が凝縮した、世界初の「不幸論」。
(※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています)
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