罪深き娘
レイチェルは自分が美しく完璧に見えるよう、念入りに装った。ファルネステ産業を率いるヴィートを魅了しなければならない。レイチェルの母は、彼の父親の愛人だった。そのせいで、母もレイチェルもヴィートから蔑まれてきた。彼はレイチェルを巧みに誘惑し、純潔を奪いさえしたのだ。今ヴィートは、母が手に入れたファルネステ家の由緒あるエメラルドを何がなんでも取り戻そうとしている。
「エメラルドが欲しいなら、わたしと結婚して」
彼のオフィスに乗り込んだレイチェルは、果敢に取り引きを持ちかけた。でも、自分から結婚を迫った理由は、口が裂けても言えないわ。
★ 2004年に鮮烈な日本デビューを飾ってから、ますます筆の冴えるジュリア・ジェイムズの新作をお届けします。レイチェルのプロポーズの裏には、悲しい事情がありました。★
(※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています)
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