近距離恋愛

表題作と3つの短編。どれも好きですが、「床屋のカノン」が描き出す、変わりゆく世界への主人公の哀愁と再生につながる出会いが特に印象に残りました。同じ作家さんの「花とスーツ」に含まれていた大好きな短編「白紙」と「紙風」を思わせます。表題作は、銭湯の背景画を描くという、いわば先の見えない職業を選んだ河が、幼なじみへの想いも、将来がないのではと、重ねてしまうところが切なくて、痛々しい。でも、そこから芽生えるものがあると気づき、2人で生きる意味を発見する。これもまた、「花とスーツ」のテーマに通じるところがありますね。人との触れ合いや関わりがもたらす人生の面白さをじんわりと味合わせてくれる作品です。

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宝石のように、きらきらとしていて心温まるお話がたくさん詰まった作品でした。正直、なんで評価がそこまで高くないのか謎ですが、おかげで隠れた名作を発見できたような満足感が得られました。お気に入りの一冊です。

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すごく良かったです。私が書いた時点で3.7って評価低いのが不思議すぎますが、全部くっつきそうな時点で終わってるからかな。エロもなし。でもでも、情緒に溢れすごく素敵だし、ストーリーも練られてるし、エロなんかいらない系の本です。くっついてすぐエロの短編集に飽き飽きしている私はすごく楽しめました。表題だけ２話、あとは1話ずつの短編集ですが私はむしろ表題以外の方が好き。床屋の話なんか、外国舞台の話みたいな雰囲気で素敵だし、アパートの話もすごく面白かったです。続きは、妄想という言葉より、ゆっくり想像したいという言葉が相応しい、なんていうか、品のある本でした。

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同性にアホみたいにずっと告白してるのにOK貰うと変な反応するって何なんだ(笑)隣人との押し入れのお話はウキウキします。床屋さんのお話が１番好みでした。ラブが少なくもっと欲しかったです。

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すごくイイ！身悶えながら読みました。伊東七つ生さん、エロとか甘とかが色じゃない作家さんですね。他作品でセックスシーンも見ましたけど、何かもうそういうのがどうでもよくなる圧倒的な見せ場が別にあって、わたしが見たいのはそっちだなと思いました。本作のあとがきのお遊びマンガでしきりに「いい感じ」「いい雰囲気」とあるのですが、抽象的ではあるけれど、まさにそここそがハマりどころなのかなと。本作は短編集ですが、幼馴染の二人の話が後日談も含めて長めで、じっくり楽しめました。猛アタックしてたはずの大ちゃんの気持ちがいつのまにかかわっちに追い越されてたり、かわっちが大ちゃんだけに見せた男らしく大人っぽい姿、そうかと思えば一人自分を見失い、そこを大ちゃんがすくい上げたりと、何ともフェアで強い結び付きのある二人に胸がときめいてときめいてしょうがなかったです。ほかの３作も、ちょっと不思議現象が絡んでるとか、ちょっとすずろ古書みたいなノリだったりとか、近くても交わることのなかったものがいきなり交差したりだとかで、伊東七つ生カラーのいい感じ・いい雰囲気が存分に味わえます。あと、お好きだという灯台が赤ちゃんのスタイに描かれていたとこがツボでした（笑）

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