カリュウド

ひとりの死刑囚の刑が執行された。そしてその死刑囚の脳は、脳腫瘍で苦しんでいた高校生・北十字良に、完全に移植された。手術は無事成功したものの、良の中にはあの死刑囚の声がこだまする…「殺したりねぇ、殺したりねぇ」と。恨みを持って死んでいった善人のため、北十字良の壮絶な復讐劇が開幕する。【全212ページ】

北十字良に移植された脳は、死刑になった凶悪犯のもの。だが、良自身はそれを知らない。定期健診に訪れた良は小指に異変を感じるのは何故かと気になっていたが、広瀬医師からはその回答はもらえない。広瀬は何かを隠していると感じた良は自分のカルテを探しに病院へ侵入する。そこで出会ったのは、その昔広瀬に裏切られ、サメに体を食べられ命からがら生きながらえ、復讐に燃えるサメ男と化した友人・カーチャリアスだった。出会い頭に誘拐される良。助けに行った広瀬はカーチャリアスの船に乗せられ2人は大海原へと出てしまう。広瀬を同じ目に会わせようとサメの群れの中へ2人は投げられてしまう…そのとき良の小指に異変が…！【全212ページ】

恨みをはらせず死んでいった人間の恨みをはらす…。それがおれの使命。保険金のため、完全犯罪を目論見、両親も兄弟も妻も子どもでさえ殺してしまう石村。そんな極悪非道な石村にカリュウドこと北十字良は、ゲームを要求する。「カリュウドには証拠はいらない。お前がやったということで十分だ。あと4時間、午前0時まで生き延びることができたら無罪とする！」。石村とカリュウドの死のゲームが始まった。石村邸を舞台にカリュウドの罠が次々に発動するが石村はかわしていく。刻々と時計の針は時を刻んでいき、ついに0時に！そのとき石村が見たものは！？【全208ページ】

恨みをはらせず死んでいった人間の恨みをはらす…。それがおれの使命。小指が死人の色に変わるとき…北十字良は「カリュウド」と化す！愛人のマンションに足しげく通う裁判官。彼と入れ違いにやってきた植木職人の江戸周五郎は、注文の品の届け先で女性の絞殺死体を発見する。冤罪…。殺人こそしていないが、裁判官と愛人との逢瀬というスキャンダルに巻き込まれることを避けるために、裁判官を目撃したひとりの罪もない人間を世間から抹殺するため、冷酷な判決を下した。その後、江戸周五郎は獄死…。その恨みがカリュウドを立ち上がらせた！カリュウドが下した判決は果たして…！？【全214ページ】

恨みをはらせず死んでいった人間の恨みをはらす…。それがおれの使命。小指が死人の色に変わるとき…北十字良は「カリュウド」と化す！とあるデパート。貴金属を万引きする若い美女。その現場を目撃した北十字良に衝撃が走る。「おれと同じ黒い小指を持った人間が！」。その美女は双子だった。風子と光子。2人は約束していた。ひとつしかない物は欲しがらないこと。光子の恋人にただならぬ感情を抱く風子は、ついにその黒い血を騒がす！世間をにぎわす天才子どもピアニストであった2人に起こった悲しい悲劇。そして…恐ろしい罪。カリュウドと化した北十字良が、2人の前に立ちはだかった！【全214ページ】