【全17巻】完結
新暗行御史
遠い昔。東方に聚慎(ジュシン)という国があり、そこには「暗行御史(アメンオサ=あんぎょうおんし)」と呼ばれる隠密要員がいた。暗行御史とは、王の特使として秘密裡に地方を巡り、悪政を糾弾し庶民を救う特殊官吏だ。聚慎が滅んだあと、この暗行御史も消滅したと思われていた。だが実際には、一人の暗行御史が、いまだ浮世をさすらっていたのである。値上げした税金を払わないという理由で、領主から火を放たれた村があった。その村の生き残りであり、村長だった母を連れ去られた少女・ロロは、いつかきっと暗行御史が現れ、自分たちを救ってくれると信じている。そんなロロの前に、頼りがいのありそうな優しい女性の旅人が現れた。ロロは彼女が暗行御史ではないかと期待する。ところが真実は全く逆で、その女は魔女と呼ばれた悪名高い領主だったのだ。絶望の淵にたたきおとされるロロ。しかしそこへ、領主の臣下・文秀が現れた。今まで悪の手先だと思っていた彼こそが、真の暗行御史だったのだ!!
(※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています)
レビューPICK UP
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新暗行御史 1
遠い昔。東方に聚慎(ジュシン)という国があり、そこには「暗行御史(アメンオサ=あんぎょうおんし)」と呼ばれる隠密要員がいた。暗行御史とは、王の特使として秘密裡に地方を巡り、悪政を糾弾し庶民を救う特殊官吏だ。聚慎が滅んだあと、この暗行御史も消滅したと思われていた。だが実際には、一人の暗行御史が、いまだ浮世をさすらっていたのである。値上げした税金を払わないという理由で、領主から火を放たれた村があった。その村の生き残りであり、村長だった母を連れ去られた少女・ロロは、いつかきっと暗行御史が現れ、自分たちを救ってくれると信じている。そんなロロの前に、頼りがいのありそうな優しい女性の旅人が現れた。ロロは彼女が暗行御史ではないかと期待する。ところが真実は全く逆で、その女は魔女と呼ばれた悪名高い領主だったのだ。絶望の淵にたたきおとされるロロ。しかしそこへ、領主の臣下・文秀が現れた。今まで悪の手先だと思っていた彼こそが、真の暗行御史だったのだ!!【全198ページ】
新暗行御史 2
旅の途中、文秀が立ち寄ったある都は、大変な数の負傷者であふれていた。手当たり次第に殺戮し、略奪する野蛮な盗賊たち・予刀族に襲撃されたのだ。その予刀族が再度攻めてきた。文秀は、都を守ろうとする若き領主の力になろうとする。だが敵のリーダーを目の前にした文秀はあっさり寝返り、予刀族の一員となるため、領主の頭を拳銃で撃ち抜く。息を飲む民衆たち。だが文秀の真意は別のところにあった…【全224ページ】
新暗行御史 3
文秀の前に「稀代の大魔法使い」を自称する房子(バンジャ)という少年が現れた。イタズラ小僧然とした彼は、なんだかんだと文秀にちょっかいを出すが、結局こらしめられてしまう。そして文秀が本物の暗行御史だと知った房子は、文秀のお供をしたいと願い出るが…【全216ページ】
新暗行御史 4
訪れた町で、軍隊時代の部下だった元述たちに馬牌を破壊され、捕まってしまった文秀。一方、辛うじて脱出した山道は、乙巴素の拷問を受け苦しむ文秀を助けに向かうが、その途中、聚慎最強の剣士・元述と闘うことになってしまう【全217ページ】
新暗行御史 5
旅の途中、奥深い山の中に人家を見つけた文秀たちは、そこで一息つかせてもらうことにした。その家に住む青年は、この近くに人の言葉を話す虎がいると文秀に話す。以前、山の中でその虎に出くわした彼は、食べられることを恐れ、生き延びたい一心で虎に「あなたは魔女の呪いで虎にされてしまった私の兄さんだ」と途方もない嘘をついた。だが虎はそれを信じ、病に臥せっている青年の母のために献身的に尽くすようになる。けれどもその母も亡くなったので、青年は虎に本当のことを告げるべきか悩んでいたのだった。そのまま黙っていた方がいいと文秀が告げたその時、家の近くに来ていた虎が暴れ出し、山道と文秀に向かってきた…!!【全217ページ】
新暗行御史 6
暗行御史の馬牌を作った鍛冶屋を探して七甲山(チルガプサン)を訪れた文秀たち。そこに猟師の格好をした奇妙な老人が現れる。老人からただならぬ気配を感じた文秀が後を追い、彼の小屋にやってくると、そこには数々の鍛冶道具が!さっそく自らの壊れた馬牌を見せ「直せるかい」と尋ねる文秀だが、なんと老人は馬牌を窯の中に放り投げてしまう。文秀が怒ると、老人はそれを見透かしたように真面目な顔になり、傍らにあった剣を構えてみせる。驚くべきことに、それは聚慎滅亡のとき失ったはずの文秀の剣だった…【全217ページ】
新暗行御史 7
平岡の父・七甲山大領主の死を期に、それまで友好的に接していた西洋人が突然城に攻め入って来た。領民の命を楯に統治権の放棄を迫られた平岡は、あまりにも重いプレッシャーに、自らの幻想の世界に入ってしまいそうになる【全209ページ】
新暗行御史 8
活貧党と戦って破れた山道が、文秀の元を去ってしまった。己の強さに自信をなくした山道は、夜な夜な街に現れては、腕自慢の武人やならず者相手に戦いを挑んでいく。そのことは人々の噂となり、かつて山道と引き分けた西洋人の女剣士・マルレーネの耳にも達する。街中で遭遇した二人は、申し合わせたかのように再戦の果たし合いを…【全209ページ】
新暗行御史 9
金海の領主が活貧党に捕らわれた。文秀は黄金がある地下金庫に元述を残し、一人で桂月香率いる活貧党の元へ向かう。そして、桂月香を前にした文秀は「お前は偽物だ」と言い放ち、銃口を向ける。一方、元述のいる地下金庫にも活貧党メンバーが現れ、壮絶な戦いが始っていた…【全233ページ】
新暗行御史 10
船を脱出した活貧党総裁・洪吉童は、房子、金海軍を相手に激闘を繰り広げていた。そこへ活貧党との戦いで溺死状態だった文秀が現れる。両軍とも多大な死者を出していた。その時、目の前で仲間を失った洪吉童は、剣を向けて文秀の懐に飛び込んでいき…【全225ページ】
新暗行御史 11
義賊・活貧党との戦いで瀕死の傷を負った文秀は、死の直前“曼陀羅華の鍼”を打ち、仮死状態に陥る。鍼の効果で、過去に意識が逆行した文秀は、気が付くと幻想の中で山道、房子と旅をしていた。ある村で「嘘つき大会」が開かれることを知った一行は、賞金500両を目当てに、主催者である領主のもとを訪れるが…【全208ページ】
新暗行御史 12
かつて、文秀が聚慎を率いる将軍だったころ。大きな戦争で勝利を収めた文秀は、部下の阿志泰や元述を従えて凱旋し、国王・解慕漱へ報告に来ていた。そこで報酬としての望みを聞かれた文秀は、官位から離れることを志願する。文秀が以前から西洋に行きたがっていたことを知る解慕漱は、彼が国外に渡航できるよう便宜を図ってあげ、文秀は恋人・桂月香を残して船に乗るが…【全209ページ】
新暗行御史 13
“曼陀羅華の鍼”に導かれた文秀の意識が、月香との西洋行に遡ったなかでの出来事。文秀は、持病の悪化した月香を救う魔法を求めて悪獣の屋敷に侵入するが、そこで待っていたのは悪獣よりもっと恐ろしい相手で…?一方その頃、聚慎では解慕漱の不在を狙ってクーデターが勃発し、これを鎮圧すべく阿志泰と元述が応戦していたが…【全192ページ】
新暗行御史 14
“曼陀羅華の鍼”に導かれた文秀の意識は、いまだ過去をさまよい続けていた。その意識の中で、反乱の主導者として聚慎から追われる身となった文秀は、真相を知るべく密かに帰国。再会した元述から、「醜きものすべてを抹消せよ」と貧しき民を虐殺し始めた国王・解慕漱の変貌ぶりを聞かされることになる。阿志泰を介して解慕漱との面談を画策する文秀だったが、なんと元述には阿志泰に関する記憶が全くなくなっていて…!?【全212ページ】
新暗行御史 15
“曼陀羅華の鍼”によって意識だけを聚慎滅亡直前にまで送られた文秀。そこで見たのは、阿志泰の術中に嵌った桂月香が、愛する文秀のために自ら命を絶った光景であった。一方、阿志泰は、言葉だけで人を消し去る圧倒的能力で元述や兵士を絶望させ、自らに屈服させていく。だがそこに現れた文秀には、阿志泰の能力が効かず…【全185ページ】
新暗行御史 16
仮死状態から目覚め、阿志泰との戦いの準備を進めていた文秀の前に、突如その阿志泰本人が現れた!!「月と太陽がひとつになる」数日後に戦おうと告げた文秀に対し、阿志泰は去る間際、自らの味方となった山道が人間ではないことをほのめかす。その言葉に一抹の不安を抱えながら、集まった仲間たちに文秀が語った必勝の戦略とは…?【全209ページ】
新暗行御史 17
余命いくばくもない文秀の前に現れたのは500年前の“伝説”仲孫!その圧倒的な力の前に苦戦するが、突如現れた太儒の師の助けを借り、文秀は先を急ぐ。一方、乙巴素は阿志泰の主力を道連れに自爆する道を選んで…【全209ページ】
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