ラブポーションアパートメント 【電子限定かきおろし漫画付】

田舎から上京したばかりの大学生・健斗が出会ったのは天使みたいな美形の大家さん・ルイ、ただし全裸。から始まるストーリー。大家さんの生活無能者っぷりが際立ってきます。アパートの大家という不労所得で暮らす30歳独身、生活能力ゼロ…というわりには微妙な点が目につき始めます。お金はあるはずなのに衣服は伸び切ってボロボロのよれよれ、ごみは室内に散らかり、パンケーキを作ればぷよんとした黒焦げスライム。自分の身なりも構うこともない様子はまるでネグレクトされている子供のような光景です。３０歳の成人男性なのに。ただストーリーが進むと、されているような、ではなく本当にネグレクト状態だったことがわかってきます。性別という自分ではどうしようもないことで母親から捨てられてしまったトラウマが強く根付いているのか、自分にやさしくしてくれた健斗から捨てられそうなときに酷くおびえて縋るんです。世話焼き包容力男子の健斗に懐く様は母親に構って欲しい子供のようにも見えます。でもそれに返せるのは体しかないからと迫ってくるのは、祖父母のところでもあまり愛されなかったのかなぁと。生活環境の整え方なんかも何の見本もなく誰も教えてくれることもなく、家賃収入で暮らせるがゆえに他人との関わりも薄く過ごしてきたのかなと。健斗と一緒に過ごすようになってルイの部屋が快適に過ごせるようになって自分で洗濯までしてしまうようになるのはきっときっと一つずつ教えてもらって褒めてもらって頑張っているんだね、良かったねぇぇぇぇ！とこちらが親目線になってしまますよ。おおらかに迎えてくれた健斗の家族たちも一緒に、ルイはこの先に幸せになっていくんです。とにかくもうずっと健斗にくっついているルイと、それを受け入れて幸せにしますよと約束してくれる健斗の、はーもうお前ら末永く幸せになっ！と応援していく気持ちです。でも料理は上達しなさそうだなぁ…。

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