名づけそむ
「名前」を持つすべての人に捧ぐ、10の物語。
「名前は子供への最初のプレゼントだとは、よく言ったもんね」
18年前に夫と娘を捨て、男と逃げた三津江(みつえ)(51)。パート先の文具売り場で、結婚を控えた娘と再会する。娘を捨てた母と、母に捨てられた娘。その邂逅は希望か、悲しみか。(第1話)
「私は一生、男の人に愛されることも、名前を呼んでもらえることもないんだろう」
恋人いない歴=年齢の愛子(あいこ)(29)。駅のホームで自殺未遂と誤解された現場を、知り合いの男子高生に目撃されてしまい……?(第2話)
あなたの心に優しく爪を立てるような――志村志保子という「文学」。痛みと癒し、そして救いのオムニバスストーリー。
(※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています)
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